2016年08月25日 18:25 公開

そよ風や騒音で激痛!線維筋痛症の恐怖とは

8月24日放送日テレ系「ザ!世界仰天ニュース」より

 「風が吹いても痛い」といえば痛風だが、そよ風程度でも激痛が走る病気があるのをご存じだろうか。線維筋痛症は30~50歳代の特に女性に多く、患者数は軽症も含めて約200万人。風だけでなく、日差しや騒音などの刺激でも激しい痛みを感じるという。8月24日放送の日本テレビ系バラエティー番組「ザ!世界仰天ニュース」では、この線維筋痛症に悩む20歳代の女性が紹介された。

日常生活の刺激が激痛となって襲う

 東京・西葛西に住む岡田真綾さん(22歳)が線維筋痛症を発症したのは、高校1年の時。音楽教師を目指してピアノの練習をしていたところ、左手に違和感を覚えて接骨院を訪れた。腱鞘炎と診断されるも、しびれや痛みは消えないどころか、右手や肩、首にも広がり、食事をするのも苦痛になったという。

 さまざまな病院で検査を受けたものの異常は発見されず、病状は悪化する一方。シャワーの水や外で風に当たっても激痛を感じ、時には日差しも痛みとして襲ってくるようになった。しかし、クラスメートには分かってもらえず、苦悩した真綾さんは学校では痛みを隠すようになる。

 発症から1年後、真綾さんの症状は繊維筋痛症によるものを判明。この病気は、詳しい原因は明らかになっていないものの、外部からの刺激に脳が誤作動を起こし、痛みとして過剰に認識すると考えられている。現在、根本的な治療法はないが、投薬で回復した例もあるという。

「血管の中をガラスの破片が流れているよう」

 痛みの状態を「血管の中をガラスの破片が流れているような感じ」と話す真綾さん。番組の取材中にも脚に痛みを感じ、「体の中で爆発がいっぱい起こっているよう」と表現した。痛みには波があるそうだが、ひどい時には体を抱えるようにしていないと耐えられないこともあるという。

 東京リウマチ・ペインクリニックの岡寛院長によると、線維筋痛症には次のような症例とステージがあるという。

  • ステージⅠ:体の特定の11カ所以上に痛みがあるが日常生活に重大な影響はない
  • ステージⅡ:指の末端部に痛みが広がり不眠・不安感・うつ状態が続く
  • ステージⅢ:爪や髪への刺激・温度・湿度変化など軽微な刺激で激しい痛みが全身に広がる
  • ステージⅣ:痛みのために自力で身体を動かせずほとんど寝たきり状態に陥る。長時間同じ姿勢で寝たり座ったりできない
  • ステージⅤ:激しい全身の痛みと共に口の渇き・目の乾燥・膀胱(ぼうこう)・直腸・尿路感染など全身に障害が出る

 真綾さんはステージⅢの可能性があると岡院長は指摘する。ちなみに、患者の15%がそれを上回るステージⅣ、Ⅴとされている。

痛みの度合いは「クリップで耳を挟む」の5倍

 線維筋痛症の薬の効果には個人差があり、真綾さんも当初、効果がないどころか痛みが脚まで広がって歩くことすら難しくなった上に、副作用の吐き気や目まいに苦しむ毎日。幸せな生活を築く夢を諦めるしかないと思い詰め、楽になるためカッターナイフで自ら命を絶とうとしたこともあった。実際、線維筋痛症の患者の中には自殺を選ぶ人も少なくないというが、真綾さんは母親に見つかり、その母が自分と同じようにつらい思いをしていることを知り、踏みとどまった。

 その後、ようやく体に合う薬と出合い、症状は改善に向かっているという真綾さん。現在は月に1回の通院の傍ら、線維筋痛症の認知を広めるための講演会に参加しているほか、病気の気持ちを綴った曲も作った。真綾さんは今、少しでもこの病気を理解する人が増えることを祈っているという。

 なお番組では、ペインビジョンと呼ばれる機器で痛みを測定したところ、番組スタッフが耳にクリップを挟んで測定した痛みが「338」だったのに対し、真綾さんが常に感じている痛みは「1,853」。実に5倍以上だった。

 次回8月31日の放送は「理解されない症状SP」というテーマで、自分の意思に反して体が動いてしまうチック症の謎に迫る。

(萩原忠久)

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