2016年08月31日 06:00 公開

誤嚥で窒息―子供の"もしも"に慌てない(4)

救急医が都内保育所で救急処置講座

 子供の周りは危険がいっぱい。おもちゃをのみ込んで窒息、ドアに挟んで指切断、テーブルの角に頭をぶつけて大出血、嘔吐(おうと)や下痢が止まらない、熱中症でぐったり...そんなわが子の"もしも"に慌てないための救急処置講座が、救命救急医の海老原直樹先生を講師に、東京都内の保育所で開催された。その4は異物の誤嚥(ごえん)による窒息などについて。

心肺停止になることも

 子供がおはじきやビー玉、ブロック、ピーナツや豆などを口に入れたまま走り回っていると、何かの拍子に誤って気道や肺に入ってしまうことがある。それが「異物誤嚥」で、最悪の場合、窒息を起こして心肺停止になることもあるという。

 異物誤嚥で窒息を起こしたら、どう対処すればいいのか―。海老原先生は、救急車を呼ぶのと同時に、乳児(1歳未満)の場合は胸の真ん中を指2本で押す「胸骨圧迫」(心臓マッサージ)5回と、背中をたたく「背部叩打(こうだ)法」5回を交互に繰り返すことを推奨。意識がないときは、心肺停止に至っていることもあり、心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸、AED=自動体外式除細動器)が必要になることも。

 幼児の場合は大人と同じで、背後から抱きかかえるようにしてみぞおちの下、ヘソの上を圧迫するように突き上げる「腹部突き上げ法」が推奨されている。

 海老原先生は「背部叩打法も腹部突き上げ法も、圧をかけて肺から異物を出すという処置なので、怖いでしょうがためらわずにやってください。また、命に関わることなので救急要請を」とアドバイスした。

誤飲はボタン電池や磁石などに注意!

 小さな子供では、異物を誤ってのみ込むこと(誤飲)も心配。子供の誤飲事故は2013年度で年間531件、2014年度で同310件が発生し、たばこや薬、プラスチック、金属、おもちゃなどが上位を占めている。

 のみ込んだ異物が胃まで達していたら、1週間以内にほとんどが便として排出される。しかし、食道で止まっている場合は食道穿孔(せんこう=穴が開くこと)を起こす恐れがあるため、内視鏡を使って取り除かなければならない。

 また、胃まで到達していても、ボタン電池を誤飲した場合では、体の中で「化学やけど」を引き起こして胃などに穴が開いてしまう危険性が高く、取り出すことが必要。また、画びょうや安全ピンなど先がとがっているもの、複数の磁石(腸の壁を挟んでくっつき腸が壊死=えし=してしまうこともある)も、のみ込んだら必ず取り出さなければならない。

 海老原先生は「判断しづらいと思うので、誤飲の疑いがあったらすぐに病院へ行ってください」と呼びかけた。

(文・写真/小島領平)

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