2016年09月02日 06:00 公開

まだまだ続く汗ばむ季節に「金属アレルギー注意報」発令

 暦は9月だが、まだまだ夏を思わせるような暑い日も多く、ちょっと体を動かしただけで大量に汗をかいてしまう人も多いのでは。汗をかきやすい季節には、金属アレルギーが原因の皮膚トラブルが増加すると言われている。そんな中、東邦大学医療センター大森病院スキンヘルスセンターの関東裕美臨床教授らが、汗をかくことで起こりやすい金属アレルギーへの注意を喚起し、正しい知識を持つことの重要性と対策法を示した。詳細は、同大学のホームページに掲載されている。

アクセサリーや食べ物、歯の金属が原因に

 人の皮膚は、金属に触れただけでアレルギー反応を起こすことはほとんどない。金属から溶け出した「金属イオン」が、汗や唾液などによって皮膚のタンパク質と結びつくと、それを私たちの体が「異物」と見なして、拒絶反応を起こす。それが、金属アレルギーだ。

 金属アレルギーには、汗による「接触皮膚炎(いわゆる、かぶれ)」のほか、歯科治療に用いられる金属や、金属元素を含む食物などが影響して起こる「全身型金属アレルギー」がある。

 研究グループによると、金属アレルギーを起こしやすい金属は、ニッケル、コバルト、クロムなど。例えばニッケルは、加工しやすくてさびにくく、安価なので、ピアスやネックレスといったアクセサリーをはじめ、時計のバンドや眼鏡のフレームなどにも使われている。
 身に着けるものだと、金属が長時間肌に触れることとなり、アレルギーを起こしやすくなる。中でもピアスは、皮下の組織と直接触れることになるため、特に注意が必要だという。

 食物の中にも金属を含むものがある。豆類、木の実、玄米、海藻、チョコレート、香辛料などに、ニッケル、コバルト、クロムのほか、亜鉛やマンガン、銅といった金属が多く含まれている。

自分でできる2つの対策とは

 では、金属アレルギーを回避するために、どういった対策が有効なのか。

 まずは、アレルギーの原因となる自分のアレルゲンを突き止めること。病院でパッチテストなどの検査を受け、アレルギーの原因となりうる金属は何かを知ることが必要だ。

 原因となる金属が特定されたら、身に着けないようにする。食事にも気を付けることで、食物が影響する全身型の金属アレルギーを避けることができる。
 歯の治療に金属が使われている場合、その金属を溶かしやすいとされる炭酸や酢、柑橘類の摂りすぎには注意が必要だ。

 そして、汗をかいたら、小まめに拭き取ること。汗の中には金属を溶かす作用の強い成分が含まれている。汗をかいたらすぐに拭く、きれいに洗うなどして、皮膚の清潔を保ちたい。

 研究グループが行った、高齢者を対象とした金属アレルゲンパッチテストによると、皮膚に何の症状もない高齢者のおよそ15%が、ニッケルに陽性反応を示したという。この結果は、皮膚や口を通して長い期間、金属に接触していると、自分でも気付かないうちに金属アレルギーになる可能性がある、ということを表している。

 金属アレルギーは、私たちが普段からよく触れている身近なものに、その原因が潜んでいる。そのため、誰もが気付かぬうちに発症する危険性を持っている。研究グループは「パッチテストなどで自分のアレルギーの状態を知ることで、発症から身を守ることができるのではないか」との考えを示している。

(あなたの健康百科編集部)