2016年09月28日 06:00 公開

昼寝も長過ぎは問題

糖尿病リスクが上昇

 昼食を食べて満腹になり、午後に激しい睡魔に襲われてしまったという経験は、多くの人が持っているだろう。ちょっとした仮眠(昼寝)が私たちの健康にとって効果的だという報告は多い。そんな中、東京大学の研究グループが、昼寝のリスクに関する研究結果を、欧州糖尿病学会で報告した。1日に60分以上の昼寝をすると糖尿病の発症リスクが高まることが、複数の研究を解析した結果、明らかになったという。

60分以上の昼寝で糖尿病リスクが45%上昇

 今回、研究グループは、昼寝と糖尿病などの代謝に関わる疾患との関連を検討するため、電子データベースを検索。過去に発表された論文から、一定の基準を満たすアジアや欧米の研究21件(合計30万7,237人)を抽出し、そのデータを解析した。

 その結果、1日当たり60分以上の昼寝をすると、全く昼寝をしない場合に比べて、2型糖尿病の発症リスクが45%上昇した。それに対して、60分未満の昼寝では、こうした明らかなリスクの差は見られなかった。

 昼寝時間の長さについて詳しく調べたところ、1日当たりの昼寝時間が40分以内であれば、2型糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクとはならないが、40分を超えるとリスクは上昇。60分以上になると、そのリスク上昇は統計学的にも意味があるほどに大きくなり、昼寝時間の長さと2型糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクとの間には、「J」字型のカーブが描けることが分かったという。

 今回の解析結果について、同研究グループは「どのようなメカニズムで、昼寝時間の長さが代謝に関わる疾患の発症リスクに関連しているのかは不明」とした上で、「昼寝の時間が長い人は、寝ている間に呼吸が止まってしまう閉塞性睡眠時無呼吸などがあり、夜間の睡眠が十分取れていない可能性があります」と指摘。閉塞性睡眠時無呼吸は、代謝機能の異常や心血管疾患の発症といったリスクを高めることが知られている。

 加えて、「長時間昼寝をする人は、そうでない人に比べて、もともと体調が悪く、糖尿病を発症しやすい要素を抱えているといった、逆の因果関係も考えられます」と述べている。

 これまでに複数の研究で、30分以内の昼寝で注意力や運動能力が上がるといった、短時間の昼寝の利点が示されている。このことから、同研究グループは「深い睡眠に入る前に目覚めるような短時間の昼寝であれば、私たちの体に備わる体内時計のリズムの乱れを改善し、睡眠不足によって生じるさまざまな代謝機能の異常を修正することができるかもしれない」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)