2016年10月19日 06:00 公開

妊娠中のうつと妊娠糖尿病は互いにリンク

 「糖尿病の人はうつ病になりやすい」「うつ病の人は糖尿病になりやすい」―どちらもよくいわれることだ。今回、妊娠糖尿病を発症した人はうつ病になりやすく、逆にうつ症状のある人は妊娠糖尿病になりやすいというように、妊娠期のうつ症状と妊娠糖尿病は相互にリンクしていることが、米国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)の研究グループの調査で明らかになった。調査の詳細は、医学誌「Diabetologia」(電子版)に掲載されている。

妊娠初期のうつ症状で、妊娠糖尿病リスクが1.72倍

 妊娠糖尿病の発症リスクと、妊娠中および出産後のうつ病の発症リスクとの関連について検討するため、研究グループは、NICHDが行った疫学研究のデータから、妊娠前に精神障害、糖尿病、慢性疾患のなかった妊婦を抽出し、2,477人を妊娠期間中追跡調査した。さらに、妊娠糖尿病になった女性と、それらと年齢などの条件が一致する妊娠糖尿病にならなかった女性、合計162人については、出産後6週間まで調査を続けた。

 妊娠糖尿病は、診療記録を確認。うつ状態については、妊娠初期(8~13週)と妊娠中期(16~22週)、出産6週後に、自己記入式のうつ病評価票でチェックした。

 うつ症状によって4つのグループ分けて検討した結果、妊娠初期にうつ症状が最も強かったグループは、最も弱かったグループに比べて妊娠糖尿病を発症するリスクが1.72倍高かった。妊娠中期でも、同様の傾向が見られた。

 肥満体型の人は妊娠糖尿病になりやすいといわれている。しかし、今回の研究では、うつ症状のある妊婦のうち、肥満の女性では妊娠糖尿病の発症リスクの明らかな上昇は見られなかった。一方、肥満ではない女性の場合、そのリスクは顕著だった。

 また、妊娠初期、中期ともに、うつ病評価スコアが上位4分の1と高スコアだったグループは、初期、中期とも下位4分の1と低スコアを維持していたグループに比べて、妊娠糖尿病の発症リスクが3.21倍高かった。

 逆に、妊娠糖尿病の女性は、そうでない女性に比べて、出産6週後にうつ病を発症するリスクが4.62倍高かった。

 研究グループは「今回の研究で、うつ症状と妊娠糖尿病との因果関係を証明することはできなかったが、妊娠中や産後は、抑うつと糖代謝異常が互いにリンクし合っているようだ」とコメントした。

(あなたの健康百科編集部)

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