2016年10月31日 06:00 公開

つわりは良好な妊娠経過のサイン

米国、約800人の妊娠データ解析から

 待望の妊娠をした途端、吐き気や嘔吐など「つわり」と呼ばれるさまざまな症状に悩まされる人も多いだろう。症状や程度は人それぞれ。「つわり」が全くないという人も、出産する直前まで嘔吐していたという人もいるが、症状があまりにもひどいとお腹の子どもがちゃんと育っているか、心配になることもある。そんなあまり喜ばしくない「つわり」だが、妊娠中に吐き気や嘔吐といった「つわり」症状がある方が流産や死産などのリスクが低下すると米国衛生研究所の研究グループが医学誌オンライン版に発表した。

嘔吐と吐き気の両症状で流産・死産のリスクが75%低く

 これまで、一般的に「つわりは良好な妊娠経過をたどっていることのサイン」と考えられてきたが、科学的には証明されてはいなかった。

 同研究グループは797人、18~40歳の妊娠データを集計した。妊娠したうちのおよそ23.6%の188人が流産もしくは死産となった。妊娠が継続できなかった妊娠期間の中央値は7週で、25%が5週までに起こっていた。また、妊娠8週までに吐き気を経験した妊婦は57.3%、吐き気と嘔吐を経験した妊婦は26.6%だった。

 解析の結果、吐き気のみ、あるいは吐き気と嘔吐の両方を経験した妊婦では、いずれの症状もなかった妊婦に比べ、それぞれ50%、75%流産・死産のリスクが低下していた。

 また、流産の93.6%が妊娠13週までに発生していたことから、同時期に限定して解析したところ、同リスクは吐き気のみを経験した妊婦で55%、吐き気と嘔吐の両方を経験した妊婦で81%低下していた。

 研究グループによると、つわりの症状が食事内容に変化をもたらし、炭水化物の豊富な食物をより多く摂取したり、胎児に奇形がおこる危険性がある食物の摂取を回避する方向に働くとする仮説もあるという。

    とはいうものの、「つわり」の症状が悪化し、食事や水分が摂取できなくなると、「妊娠悪阻」となり治療が必要となる。一日中続く頻繁な嘔吐、食事をとることが出来ない、5%以上体重が減少した、脱水や飢餓状態が受診の目安となる。通常の「つわり」は妊婦80%近くに起こるといわれているが、妊娠悪阻は全妊婦の1~2%程度の頻度。お腹の子どもの健康を守るためにも、そのあたりはきちんと見極めたい。

(あなたの健康百科編集部)

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