2016年11月02日 06:00 公開

子どもの高血圧が認知機能に影響!?

 年齢を重ねていくと、会話の内容もだんだん病気に関するものが増えてくる。「最近、血圧がちょっと高めで...」「そろそろ血圧の薬を飲んだ方がいいのかなあ」など、血圧を気にする中高年も多くなる。それもあってか、高血圧は大人がなるもので、子どもには関係ないと思われがちだが、そんなことはない。塩分や糖分の多い食事、運動不足やストレスなどの影響で、大人だけでなく、子どもでも高血圧になることがある。そんな子どもの高血圧に関連する研究結果が、米ロチェスター大学の研究グループより報告された。高血圧の子どもは、記憶力や注意力などの認知機能が低下しているというのだ。詳細は、医学誌「The Journal of Pediatrics」(電子版)に掲載されている。

注意力や学習能力、記憶力などが低下

 高血圧は生活習慣病の1つで、動脈硬化のリスクを高めることから、生活習慣を改善し予防することが大事だ。動脈硬化になると、脳や心臓をはじめとするさまざまな病気を引き起こしやすくなるからだ。

 子どもを取り巻く環境には、高血圧を引き起こす要素があふれている。ファストフードやスナック菓子など味付けの濃い食べ物、ゲームやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)による睡眠不足や運動不足、ストレスなどだ。

 同研究グループは、今回、子どもの高血圧が認知機能に及ぼす影響について検討するため、初めて高血圧と診断され、以前に高血圧の治療を受けたことのない10~18歳の子ども75人と、年齢や性別、血糖値や肥満度などが合致する正常血圧の75人を対象に、認知機能テストを実施した。

 テストは、一般知能、注意力、記憶力、実行機能、処理速度などに関するものだった。なお、認知機能に影響を及ぼすと言われている注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害、睡眠障害の子どもは、今回の研究対象からは外している。

 解析の結果、高血圧のグループは正常血圧のグループに比べて、言語記憶、問題解決能力、手先の器用さなどの運動機能、一般知能のスコアが低かった。

 同研究グループは「高血圧の子どもは、そうでない子どもに比べて、注意力や学習能力、記憶力、運動機能が低下していた。若いうちに高血圧になると、脳機能に影響が出るかもしれず、もしかすると、小児期における脳の発達にも何らかの影響を及ぼしているかもしれない」とし、「子どもの高血圧を治療することで、こうした影響を最小限に抑えたり無くしたりすることができるかについて、検討していく必要があるだろう」と、今後の課題についてコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)