2016年11月11日 06:00 公開

心不全のリスクを高める痛み止め薬とは?

 ひどい頭痛が痛み止めの薬を飲んだらけろっと治った、という経験を持つ人もいるだろう。頭痛以外にも、腰痛、歯の痛みなど、さまざまな痛みで辛い時、私たちは鎮痛薬に頼る。鎮痛薬の中でも非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、薬局で買えるものも多く、私たちにとって身近な存在だ。このたび、そんなNSAIDについて、気になる研究結果が報告された。イタリアのミラノ・ビコッカ大学などの共同研究グループによると、NSAIDは種類によっては心不全で入院するリスクを高めてしまうというのだ。詳細は、9月28日発行の医学誌「BMJ」(電子版)に掲載されている。

心不全による入院リスクが19%上昇

 共同研究グループは、欧州4カ国(オランダ、イタリア、ドイツ、英国)の5つの医療データベースから、2000~10年にNSAIDの使用を開始した18歳以上の成人で、心不全により入院した9万2,163人を抽出した。年齢や性別などが一致する824万6,403人を対照として、27種類のNSAIDの使用と心不全による入院リスクとの関連を調べた。

 その結果、いずれかのNSAIDを現在(直近14日以内)使用している場合は、過去(184日以上前)に使用していた場合に比べて、心不全による入院のリスクが19%高かった。特にリスクが高かったのは、下に示すように、国内未承認の4剤を含む9種のNSAIDだった。

ketorolac(国内未承認)  83%
etoricoxib(国内未承認)   51%
インドメタシン       51%
rofecoxib(国内未承認)  36%
ピロキシカム          27%
ジクロフェナク       19%
nimesulide(国内未承認) 18%
イブプロフェン        18%
ナプロキセン       16%

 さらに、ジクロフェナク、インドメタシン、ピロキシカム、etoricoxib、rofecoxibの5剤は、1日の用量の2倍以上を使用すると、心不全による入院リスクが2倍になったという。

 共同研究グループは、「心不全による入院のリスクは、NSAIDの種類と量によるようだ。医療者や関係機関への周知が必要だ」との考えを示している。

(あなたの健康百科編集部)

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