2016年11月15日 06:00 公開

30分ごとに、3分以上の軽い活動を

長時間、座りっぱなしの糖尿病患者へのススメ

 デスクワークやテレビの視聴、会議などで座りっぱなしの生活をしている人は多い。そんな生活をしていると、病気になったり死亡したりするリスクが高まることが、近年、複数の研究で示されている。米国糖尿病学会(ADA)は10月25日、糖尿病患者の身体活動に関する指針を示した声明を、医学誌「Diabetes Care」(2016; 39: 2065-2079) に発表した。声明では、これまでの坐位時間と健康に関する研究を元に、「座っている時間が長い人は、30分ごとに3分以上は、ストレッチや歩行などで軽く体を動かすこと」が推奨されている。

簡単なストレッチなどの身体活動を推奨

 声明では、1型および2型の糖尿病に加え、妊娠糖尿病や血糖値がやや高めの糖尿病予備軍に対する身体活動の指針が提示されている。ADAによると、こうした指針が独立してまとめられたのは、今回が初めてだという。

 このうちADAが注目すべきポイントとして挙げているのが、「座ったままの状態が長時間に及ぶ場合には、30分ごとに3分以上、軽く体を動かすべき」というのが推奨項目の1つに盛り込まれた点だ。具体的には、立ち上がったり歩いたり、あるいは脚や腕を伸ばしたり上体をひねったりするような簡単なストレッチで十分だという。

 これまでADAでは、糖尿病診療ガイドライン(Standards of Medical Care)で90分ごとに身体活動を行うことを推奨していたが、今回「30分ごと」に短縮された。ただし、「こうした身体活動は定期的な運動(2型糖尿病患者の場合、週に150分以上の低強度~高強度の身体活動)に加えて行うべきであり、それに代わるものではない」としている。

高齢者にはヨガや太極拳も

 坐位時間の短縮を目的とした軽めの活動に加え、2型糖尿病の成人患者には、血糖コントロールと健康状態の維持のためにウオーキングやサイクリング、ジョギングなどの有酸素運動と、筋肉に負荷をかけて筋力を鍛えるレジスタンス運動の両方を行うことが推奨されている。また、毎日行うことが勧められるが、少なくとも運動しない日が2日以上続かないように、としている。

 一方、高齢の糖尿病患者に対しては、柔軟運動とバランス運動を週2~3回行うことを推奨。柔軟やバランスの要素に加えて、筋力強化の要素も兼ね備えた運動として、ヨガや太極拳が選択肢の1つとして勧められている。

 さらに、声明では有酸素運動、レジスタンス運動、柔軟運動やバランス運動の具体的な内容や適した強度、時間、頻度などの他、使用中の薬剤や合併症に応じた適切な運動の在り方や留意点などがまとめられている。

(あなたの健康百科編集部)

関連リンク(外部サイト)

  • ADAプレスリリース