2016年11月18日 06:00 公開

子供にスマホって、あり? なし?

東京・本郷でワークショップ開催

 今や生活必需品と言っても過言ではないスマートフォン。寝ても覚めてもスマホを見て、出勤時や外出時に忘れてしまうと不安になってわざわざ取りに戻る人も多いのではないだろうか。そんな時代を迎え、小さな子供にスマホを与えた場合にどんな影響が考えられるのだろうか。スマホ社会に看過できない疑問を検証すべく11月11日、東京・本郷にあるカフェで東京大学主催のワークショップ「Noスマホ、Noライフ? ~スマホと教育を考えるカフェ~」が開かれた。

子供がスマホを持つメリット、デメリット

 日本人のスマホの保有率は2015年で67.4%(内閣府調査)となり、国民のほぼ10人中7人が持っている計算となる。しかも、近年では保有する年齢も下がってきて、小学生で6割、中高生では7~9割ともいわれている。スマホを使ってゲームをしたり、TwitterやLINEなどのソーシャルメディアを利用したり、YouTubeなどで動画を見たりしているようだが、親や教育者の立場からすれば学業への影響はおろか、心身面への影響も心配になってくる。

 そこで、家庭医療専門医でもある東京大学大学院医学系研究科の孫大輔講師が主催した今回のワークショップでは、「小中学生時代にスマホがあったらやっていた?」「スマホがなければどんなメリット・デメリットがある?」「スマホの子供への影響はどんなものがある?」など3つのテーマを徹底討論。東京大学に通う学生のほか、会社員やOL、子供を持つ母親など集まった20数名が4つのグループに分かれ、意見を交換した。

上手なスマホとの付き合い方を考えて

 まず、今回のテーマを企画した学生が大阪府の小学校の調査結果を紹介した。それによると、小学4年生の将来なりたい職業として、1位のサッカー選手、2位の医師に続いて、「YouTuber」が3位になったのだ。YouTuberとは、動画サイトで生計を立てている人のことで、トップレベルになると年収1億円を超えるという。子供たちがそうしたコンテンツを見ている主なデバイスはスマホで、通話やコミュニケーションの手段としてよりもゲームや動画を視聴するツールとして使われているのが現状だ。

 子供へのスマホの影響力が大きい中、参加者からは「いざという時に連絡が取れる」「防犯に役立つ」「IT機器に早くから慣らさせることができる」「調べ物など勉強のツールになる」「動画で講義が受けられて教育の地域格差が減少する」など、子供がスマホを持つことに好意的な評価が挙がった。

 その一方で、「持っていないと仲間外れになる」「LINEなどSNSをめぐるトラブルでイジメの原因になる」「対面コミュニケーションが不足する」「リアルな遊びが少なくなる」「やり過ぎで寝不足になるなど健康面への不安が大きい」といった声も。スマホにはプラス面、マイナス面が多々あるため、確たる結論が出るわけではないが、さまざまな意見が飛び交った。

 約1時間半のワークショップを終えた孫講師は、自分もスマホのヘビーユーザーで、高校生の長女を筆頭に3人の子供の親でもある以上、この問題と無関係ではいられないと前置きした上で、「子供たちは制限が分からず、LINEで連絡が取れ過ぎて24時間追いかけられているような感じです。一方で、スマホが世代を超えた共通の話題作りに役立っている面もありますので、スマホとのうまい付き合い方を大人もきちんと考え、指導していくのが大事だろうと思います」と話した。

(萩原忠久)

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