2016年11月28日 06:00 公開

メタボは噛む力の低下から?

世界初! 大阪・吹田研究からの知見

 体調の悪い時に口内炎や口角炎ができたり、歯や歯茎が疼(うず)いたり、胃腸が悪いと口臭がしたり......口は体全体の健康状態を反映するといわれてきた。近年では、体の変化が口の中に現れるということだけでなく、体の健康と口の健康の相互の関連性についての報告も出てきている。つまり、口の健康を保つことが、全身の健康につながるという。噛(か)む力とメタボリックシンドロームとの間に明らかな関係性があるという研究結果を新潟大学、大阪大学、国立循環器病研究センターの共同研究グループが10月25日発行の歯学誌「Journal of Dentistry」(電子版)に発表した。

噛む力が弱くなるとメタボリスク1.4倍

 メタボリックシンドロームは、肥満(内臓脂肪型)に高血糖、高血圧、脂質異常などの危険因子が2つ以上重なった状態で、メタボの状態になることで脳卒中や心臓病、糖尿病などを発症するリスクが高まる。

 研究グループは今回、大阪府吹田市に住む50~70歳代の男女1,780人を対象に、基本健診と歯科検診を行った。噛む力の測定は、専用に開発されたグミゼリーを30回噛んで増えた表面積を算出。その結果を年齢や性別、飲酒、喫煙、歯周病などの影響を除外して解析し、噛む力とメタボの関連性を分析した。

 噛む力の強さによって4グループに分けたうち最も強いグループに比べ、2番目に弱いグループではメタボ率が1.46倍高かった。また70歳代では、噛む力が最も強いグループに比べて最も弱いグループで1.74倍 2番目に弱いグループで1.90倍、2番目に強いグループでも1.67倍と、全てのグループでメタボ率が高かった。

 研究グループは「(今回の研究から)噛む力を測ることで、メタボリックシンドロームになるリスクが出せる可能性が示された。(脳卒中や心臓病などの)動脈硬化性疾患の予防に、新しい医科歯科連携の戦略につながることが期待される」と述べている。

 よく噛むことで、食べ過ぎや消化不良を防ぐことができる。歯の健康を保ち、適切な量でバランスの取れた食事をすることが、メタボ予防につながるということだろう。

(あなたの健康百科編集部)

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