2016年12月21日 06:00 公開

ピーナツアレルギーをパッチ剤で治療

実用化へ大きな一歩

 ピーナツは卵や牛乳などと並ぶアレルギー原因の一つ。ピーナツアレルギーは先進国の1~3%の子どもに認められ、世界的に増加し続けている。米国では今後10~15年でピーナツアレルギー患者が3倍になるとのデータもあるなど、かなりの勢いで増えている。そうしたピーナツアレルギーを治療するためのパッチ剤(貼り薬)は安全性が高く、有効な治療効果を示したと、米アーカンソー大学の研究グループが10月26日発行の医学誌「Journal of Allergy and Clinical Immunology」(電子版)に発表した。

他の治療と同様の効果

 研究グループは今回、4~25歳のピーナツアレルギー患者74人を、ピーナツタンパク質100マイクログラムを含んだパッチ剤を使う24人(高用量群)、250マイクログラムを含んだパッチ剤を使う25人(低用量群)、偽薬を使う25人(プラセボ群)にそれぞれ分け、効果の違いを検討した。患者は毎日、新しいパッチ剤を上腕(11歳超)または肩甲骨の間(11歳以下)に貼り、それを52週間続けた。

 52週後の治療成功率は、プラセボ群の12%に比べて低用量群が46%、高用量が48%と高く、用量による差は見られなかった。また、11歳以下と11歳超で比べると、11歳以下の治療成功率が明らかに高く、11歳超では治療効果がほとんど認められなかった。

 免疫学的な変化も、食物アレルギーに対する他の治療法(免疫療法)での変化と一致していた。

重い副作用なし

 何らかの副反応(副作用)が出たのは、プラセボ群で14.4%、低用量群と高用量群はいずれも79.8%。その大部分はパッチ剤の貼った部分のかゆみや腫れなど軽い皮膚反応だった。貼った部分以外の副反応はまれで、重い全身的な副反応や、アドレナリンを投与するケース(アレルギーによる強いショック症状を起こした場合に投与される)は発生しなかった。

 毎日きちんと治療を受けている割合(アドヒアランス)は全般的に高く(全体97.1%、11歳以下97.0%、11歳超97.4%)、治療をやめたのは局所の皮膚反応による1人のみだった。

 パッチ剤による治療(経皮免疫療法)は全般的に安全性が高く、プラセボに比べて大きくはないが統計学的に有意な治療効果が示された。今後、長期間継続するさらなる試験が予定されている。

(あなたの健康百科編集部)

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