「ブルーライト」っていったい何? 体への影響と対策

2016年12月22日 10:30 公開

「ブルーライト」っていったい何? 体への影響と対策

専門家に聞く!

 パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスや、LED照明などで、私たちは日常生活でブルーライトを否応なしに、過剰に浴びてしまっています。健康に有害だといわれるブルーライトですが、いったいどんなものでどんな害があるのか―。ブルーライトが人体に与える影響を横断的に捉え、活発な研究をしている「ブルーライト研究会」の世話人である杏林大学名誉教授の古賀良彦先生(精神神経科)に聞きました。

夜は子供にスマホ見せないで

――ブルーライトは、パソコンやスマホから出ている、何やら怖い光、というイメージがあるのですが、そもそもどういったものなんでしょうか。

 エネルギーが強い光です。散乱しやすいという特徴があります。波長が短いので、空気の層に当たると散らばりやすい、つまりエネルギーが強くて目の疲れを起こしやすい光ということです。眼精疲労が起きるのは、そういう理由なんですね。

――デジタルデバイスから出るだけのものでなく、自然界に普通に存在するような光なんですね。睡眠への影響もあるということですが...。

 体内時計(概日リズム)の中枢に働きかけて目を覚まさせる光なので、夜になると眠気を引き起こす物質を出させなくしてしまいます。夜、ブルーライトを浴びることによってリズムが形成されなくなるので、夜に浴びてはいけません。特に、子供には夜、スマホを見せない方がよいでしょう。

"フルデジタル病"などとの関連性

――漫画家の古屋兎丸さんが作画環境をフルデジタル化してから、不眠や微熱、精神的不安定など原因不明の体調不良に悩まされていることを告白、自身が命名した"フルデジタル病"という病名が話題になりました。デジタル環境で長時間作業する人が同じような状態になることは少なくないようですが、ブルーライトと精神障害は関係があるのでしょうか。

 ブルーライトが直接、精神障害を引き起こすということはありません。でも、ブルーライトは、体内から眠気を引き起こす物質(メラトニン)を出すのを妨げるので、夜に浴びると体内時計が壊れます。体内時計が乱れると不眠になり、不眠になると自律神経のバランスが乱れて、目まいや頭痛、手足の痺(しび)れ、下痢などを引き起こしやすくなります。ブルーライトと精神障害の関連は、間に不眠を介して、ということだと思います。

朝にブルーライトを浴びるのが効果的

――夜に浴びるのは良くないのは分かりましたが、勉強や仕事で夜中もパソコンを使わなければならけないことも多いのが現実です。何か対策はあるのでしょうか。

 そういうときは、翌日の朝にブルーライトをきちんと浴びるとよいですよ。ブルーライトは目を覚まさせる光なので、朝浴びて昼間活動するのには必要。昼間はちゃんと浴びてください。

――朝浴びたら、ちゃんと体内時計もリセットされるんでしょうか。ブルーライトのせいで体が除々にむしばまれる、なんてことにはならないでしょうか。

 はい。その都度リセットすれば大丈夫です。

――ちなみに、目に優しいディスプレーをうたっている電子図書端末、ブルーライトをカットするメガネや液晶保護フィルムなども売っていますが、こういうのは利用した方がよいのでしょうか。

 ブルーライトを防ぐメガネが一番楽ですよ。スマホやパソコンにフィルムをいちいち貼るよりも手っ取り早いですから。テレビだって遠くから見るものだけど、(ブルーライトが)出ますしね。

――先生のオススメはメガネなんですね。もしかして、夜はずっとブルーライトカットメガネをかけて生活した方がよく眠れますか?

 それはいいかもしれませんね。でも、あんまり安いメガネはダメですよ。国産の、ある程度質の良いメガネを使ってくださいね。昼は活動するためにブルーライトをきちんと浴びる、夜はシャットアウトする、ということが大切です。

(取材・文/うさぎ野ロッコ)

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