2016年12月26日 06:00 公開

喫煙リスク「少量なら大丈夫」はウソ

 喫煙が体に悪いことは、誰もが知っている。2016年の「全国たばこ喫煙者率調査」によると、わが国の喫煙者の割合は減少傾向にあるが、諸外国に比べて低いとはいえないようだ。そんな中、米国で喫煙の量に関する大規模な疫学調査が実施され、たとえ1日1本未満という少量の喫煙であっても、長期間継続することで死亡リスクが1.64倍に高まることが明らかになった。米国立がん研究所の研究グループによって行われたこの研究の詳細は、12月5日発行の米医学誌「JAMA Internal Medicine」(電子版)に掲載されている。

1日1本未満でも肺がんリスク9.12倍に

 日本たばこ産業(JT)が実施した2016年の「全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人の平均喫煙率は男性29.7%、女性9.7%で、喫煙者数は男女合わせて約2,000万人と推計されている。健康への意識の高まりもあり、男性では喫煙率が減少傾向にあるが、諸外国に比べるとまだ高い状況だという。

 喫煙による健康被害は、日本を含め世界的な問題となっているが、少量の喫煙を長期間続けた場合の影響について明らかにした研究は少ない。そのため、少量の喫煙なら安全だと思っている人もいるようだ。

 そこで、研究グループは、長期にわたる少量喫煙と死亡との関連を検討。米国立衛生研究所(NIH)が行った食事と健康に関する疫学研究に参加した成人のうち、2004~05年のアンケートに回答した29万215人(59~82歳)を対象に、1日当たり1本未満または1~10本という少量の喫煙を長期間続けた場合の、理由を問わず全ての死亡(全死亡)および喫煙に関連した病気による死亡への影響を非喫煙者と比較した。

 その結果、2004~05年時点での喫煙者は7.7%、過去に喫煙歴のある人が53.9%、非喫煙者が38.4%だった。現在の喫煙者のうち6.8%が1日1本未満、30.4%が1日1~10本の少量喫煙者だった。

 過去の喫煙歴については、アンケートを行い、喫煙量に関する情報を収集した。その結果、少量喫煙者の多くが、それ以前はより多量の喫煙をしており、結局、過去から継続して少量喫煙を継続していたのは、1日1本未満の喫煙者では9.1%(159人)、1日1~10本の喫煙者では22.5%(1,493人)のみだった。

 平均6.6年の追跡期間中に、3万7,331人が死亡した。非喫煙者と比べた全死亡リスクは、1日1本未満で1.64倍、1日1~10本で1.87倍と高かった。また、喫煙が関連した病気による死亡リスクは特に肺がんで高く、1日1本未満で9.12倍、1日1~10本で11.61倍だった。

禁煙年齢が早いほどリスク低下

 さらに研究では、少量喫煙継続者は禁煙した年齢が若いほど死亡リスクが低くなることが示された。例えば、50歳以上で禁煙した場合の全死亡リスクは、1日1本未満が1.44倍、1日1~10本が1.42倍、50歳未満で禁煙した場合より高かった。

 これらを踏まえ、研究グループは「喫煙は少量だから安全という訳ではない。今回の研究は、そのことを裏付ける結果となった。1日の喫煙量が少ない人も含め、全ての喫煙者が禁煙を目指すべきだ」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)

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