2017年01月25日 06:00 公開

糖質制限ダイエットの効果は? 安全性は?

 糖質制限か脂質制限かのダイエットを考えている人に、ぜひとも知っておいてほしい研究結果が、このほど、米・メイヨークリニックの研究グループから発表された。短期間の糖質制限食によるダイエットは安全だが、脂質を制限したダイエットと比較して減量効果はそれほど高くないことが分かったという。研究の詳細は、12月1日発行の医学誌「The Journal of the American Osteopathic Association」(2016; 116:788-793)に掲載されている。

6カ月での減量効果を確認

 米国では、1970年以来、肥満率が劇的に上昇している。2014年には、米国のダイエット市場は640億ドルにも上り、大人の約20%がさまざまなダイエットを試みているという。

 糖質制限ダイエットも、そのうちの1つだ。エネルギー源となる3大栄養素のたんぱく質、脂質、糖質のうち、糖質の摂取量を抑えるもので、日本でも大ブームになっている。

 米国農務省などが公表している2015-2020年版の「米国人のための食生活指針」では、それまで1日の摂取量の上限を300mgとしていたコレステロールの制限に関する項目が、最近の研究結果を踏まえて削除された。米国で糖質制限ダイエットを始める人が増え、赤身の肉やベーコンやソーセージ、ハムといった加工肉の消費が伸びた背景には、そうした指針の改訂が影響しているかもしれない、と研究グループは考えているようだ。

 厳格な糖質制限ダイエットを行うと、糖質を減らした分、脂質を摂りすぎてしまうこともある。特に、加工肉の食べすぎは、心臓や血管の病気、がん、死亡のリスクにもつながりうる。

 そこで、メイヨークリニックの内科医であるヘザー・フィールズ医師らは、2005~2016年に報告された72件の関連研究を分析し、糖質制限ダイエットの減量効果や安全性などについて検討した。

 短期的な効果を見たところ、糖質制限ダイエットを実施した人は、脂質制限によるダイエットを行った人に比べてわずかに減量効果が高かった。また、糖質制限ダイエットにより、血圧の低下や、血糖コントロールの改善が見られた。しかし、その効果は、脂質制限ダイエットやカロリー制限によるダイエットと比較して特に優れているということはなかった。

 フィールズ医師らは「糖質制限ダイエットは、6カ月という短期間であれば安全に体重を落とすことができる。しかし、脂質制限ダイエットに比べても、減量効果はそれほど高いというわけではなく、実行する意義があると言い切るには疑問が残る」としている。

 また、糖質制限ダイエットの定義はまちまちで、糖質の摂取量を20~60g/日としているケースが多いが、20g/日以下という厳格な糖質制限や、反対に130g/日までは許容範囲とするゆるめの糖質制限もある。

 フィールズ医師らは、「われわれの分析した論文の中には、1日の糖質の摂取量を摂取カロリーの46%まで許容している、かなりゆるい糖質制限も含まれていた。そのため、分析結果に対する解釈が難しい」とし、さらに、「糖質制限ダイエットをしようと考えている人に対して、長期的な安全性や効果に関するデータがほとんどないことをあらかじめ伝える必要があるだろう」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)

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