2017年02月09日 06:00 公開

目を保護する意外なものとは

紫外線B波を浴びると近視が減少

 目によさそうなものと言われてぱっと思い浮かぶのは、ブルーベリーやうなぎなどの食べ物、森の緑といったところだろうか。このたび、英ロンドン大学をはじめとする共同研究グループが、目にいい意外なものに関する研究結果を報告した。屋外での活動時間と直接関連する紫外線B波(UVB)を浴びる時間が多いほど近視が減少し、その影響は14~29歳で最も大きいという。研究の詳細は、12月1日発行の医学誌「JAMA Ophthalmology」(電子版)に掲載されている。

教育年数の最長群の近視は最短群の2倍

 UVBは、地上に届く紫外線のうち5%ほどしかないと言われているが、強いエネルギーを持ち、ヒリヒリと赤くなる日焼けの状態を引き起こす。

 今回、共同研究グループは、2000年11月6日~02年11月15日に実施されたEuropean Eye Studyという研究から、3,168人(平均年齢72.4歳、男性46.0%)のデータを抽出した。対象者は全員65歳以上で、眼科検査、採血、面接調査を受けていた。

 また、UVBの曝露量は、屋外での活動時間から算出。これらのデータを解析し、UVBの曝露量および血中のビタミンD3濃度と近視との関連を検討した。

 近視は、度数が-0.75ジオプター(約1.3mまで近づかないとはっきり見えない)以下と定義。最終的に解析対象となった3,168人のうち、近視の人は371人、非近視の人は2,797人だった。

 年齢、性、研究施設によって偏りがないよう調整して分析したところ、UVBを浴びる量が増えると、近視になりにくくなることが判明した。

 学歴で見ると、教育を受けた年数が長いほうから3分の1の群(中央値14年)では、短いほうから3分の1の群(中央値7年)に比べて近視が2倍以上多かった。

 年齢別に解析したところ、14~19歳および20~29歳の時にUVBの曝露量が多いと、近視になりにくいことが示された。しかし、その他の年齢群ではそのような関連は見られなかった。

ルテインがリスク低下に関連

 日光に当たり血中のビタミンD濃度が上昇すると、近視を抑制しうるといった報告があるが、今回の解析では、血中のビタミンD3濃度と近視との関連は見られなかった。

 一方で、ルテインという血中の色素成分を濃度別に分けたところ、濃度の高いほうから20%の最高群は、低いほうの20%である最低群に比べて、近視のリスクが43%低下していた。ちなみに、ルテインは加齢黄斑変性のリスク低下にも関連することが示されているという。

 研究グループは、今回の研究の弱点として、UVBの曝露量が紫外線照度計による正確な測定値ではないことや、小児期のUVB曝露量のデータがないことなどを挙げた上で、「屋外での活動時間に直接関連するUVBの曝露量が多いほど、近視が減少する」と結論付けている。さらに、「そのメカニズムや影響の大きい時期については、今後も研究を重ねる必要がある」としている。

(あなたの健康百科編集部)

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