2017年02月14日 06:00 公開

身長の決め手となる遺伝子とは

 「親に似て、背が低い」「わが子の身長の伸びが心配...」など、身長に対する思いはさまざまある。身長を決める要因となるのは、かなりの部分が遺伝的なもののようだが、この度、身長に関係する遺伝子についての新たな研究結果が、英国のロンドン大学クイーン・メアリー校ウィリアム・ハーベイ研究所の研究グループから報告された。人でも馬でも、同一種であれば遺伝子の配列はほとんど同じになるはずだが、ごく僅かに通常と異なる部分を持つ場合があり、それを「遺伝子多様体」と呼ぶ。今回、研究グループは、人の身長を左右する遺伝子多様体のうち、めったに出現しないという83種を新たに同定したという。詳細は、2月1日発行の科学誌「Nature」(電子版)に掲載されている。

低頻度の遺伝子多様体、83種が身長に関与

 これまでに、身長の個人差に関連する遺伝子多様体のうち、出現頻度が比較的高いものとして分かっているのは700種類ほどだ。その一方、出現頻度の低い遺伝子多様体が果たす役割については、あまりよく分かっていなかった。

 そこで、今回、研究グループが、700,000人以上を対象に遺伝子解析を行ったところ、身長に関連する遺伝子の多様体が、新たに83種ほど同定された。それらは、出現頻度を表す基準となる「マイナー対立遺伝子頻度(MAF)」が0.1~4.8%と、かなり頻度の低い遺伝子多様体だという。

 解析では、これら83種類の遺伝子多様体の一部には、その遺伝子を保持している人と保持していない人との間で、約2㎝の身長差が生じる要因となるものがあることも判明した。これは、比較的高頻度に起こる遺伝子多様体の10倍もの影響力だという。

 また、これらの中には、従来、「単一遺伝子疾患」といって、1つの遺伝子に異常があって起こる成長障害に関係する遺伝子の突然変異体として同定されているものも含まれるが、それ以外に、今回の研究で新たに身長に関する遺伝子の多様体とされたものもある。

 今回の研究では、たとえ出現頻度が低くても、その遺伝子多様体は身長に関して重要な役割を担っていることが示された。研究グループは、「この新しい知見は、病気にかかるリスクの予測や治療法を解明するための一助となるだろう」と今回の成果を評価している。

(あなたの健康百科編集部)

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