2017年02月15日 06:00 公開

乳児の感染症は、小児肥満の元?

 保育園に通う赤ちゃんは、感染症がうつる機会も多くなる。子どもを保育園に預けてようやく職場復帰!と思いきや、園から呼び出しの嵐が...。そんなお母さんも多いのでは。このほど、乳児の感染症に関してちょっと気になる研究報告が、米国の非営利医療団体カイザー・パーマネンテ・北カリフォルニアの研究グループから出された。感染症にかかった乳児では、治療のための抗生物質の使用ではなく、感染症にかかることそのものが小児肥満のリスクを高めるらしいというもの。研究の詳細は、1月5日発行の医学誌「The Lancet Diabetes & Endocrinology」(2017;5:18-25)に掲載されている。

乳児の抗生物質未使用の感染症で、小児期肥満のリスクが25%上昇

 これまでの研究では、乳児期に感染症にかかり、その治療のため抗生物質を使用することで、小児期に肥満になるのではないかと言われきた。しかし、それが抗生物質の使用によるものなのか、あるいは感染症のせいなのか、それともその両方が影響しているのかについては不明だった。

 そこで、研究グループは、1997年1月~2013年3月に生まれた26万556人の電子カルテのデータを用いて、生まれてから18歳までの感染症の診断歴、抗生物質の使用歴と、体格指数(BMI)や肥満状態などの身体計測結果との関連について調べた。

 母親の年齢や妊娠前のBMI、妊娠中の感染症や抗生物質使用、出産状況、子どもの出生体重などに偏りがないよう調整を加え検討したところ、乳児期に感染症にかかったが抗生物質を使用しなかったグループは、感染症歴のないグループに比べて、小児期に肥満になるリスクが25%高かった。

 また、乳児期に未治療の感染症にかかる回数が多いほど、小児期に肥満になるリスクが高まることが分かった。

 その一方で、乳児期の抗生物質の使用には、小児期の肥満リスクとの間に関連は見られなかったという。

 研究グループは、今回の研究について「抗生物質が人体に全く何の影響もないということはなく、慎重に使用するべきだが、乳児の感染症治療に抗生物質を使うことが、小児期の肥満につながることはなさそうだ」と述べた。その上で、「今後もさらに研究を重ねていく必要があるだろう」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)