2017年02月28日 06:00 公開

初期の認知症で嗅覚の衰え、黒人でも立証

 社会の高齢化とともに、認知症の人が増えている。認知症にはできればなりたくないし、もし、なる可能性が事前に分かるのなら知りたい―そう思うのはごく自然だろう。認知症の前兆かもしれない症状の1つに嗅覚障害がある。このたび、認知症と嗅覚障害に関する研究結果が、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究グループから出された。それによると、認知症の初期症状として嗅覚の衰えが現れることが、白人と黒人の両方で示されたという。詳細は、1月31日発行の医学誌「Neurology」(2017;88:456-462)に掲載されている。

白人ほど強くないが、黒人でも関連

 嗅覚障害とは、においを感じる経路のどこかが障害され、においを正しく感じ取ることができない状態を指す。

 これまでの研究で、嗅覚障害は、認知障害の早期マーカーとなりうることが示されている。しかし、過去の報告は、ほとんどが白人を対象としたものだった。

 そこで今回、研究グループは、一般の地域住民から認知症のない高齢の白人と黒人(70~79歳)合計2,428人を登録。3年目に測定した嗅覚機能と、12年間の追跡における認知症の発症との関係について検討した。

 嗅覚検査の点数で3つの群に振り分けたところ、白人では、嗅覚機能が最も保たれている高得点群と比べて、中得点群では1.84倍、最も機能が低下していた低得点群では3.34倍、それぞれ認知症のリスクが高まった。

 黒人でも同様に比較したところ、中得点群では1.42倍、低得点群では2.03倍、それぞれ認知症のリスクが高まった。

 今回の研究結果について、研究グループは、「白人のみならず黒人の高齢者でも、嗅覚機能の低下が認知症のリスクに関係することが示された」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)