2017年03月10日 06:00 公開

薬剤耐性ってなに?

「薬剤耐性へらそう!」イベントにJOYさん、篠田麻里子さんが登場

 薬剤耐性とは、ズバリ「抗菌薬が効かなくなる」こと。感染症の原因となる細菌を殺したり、その増殖を抑制したりする働きを持つのが抗菌薬だが、この抗菌薬が効かない「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)」を持つ細菌が世界中で増加し、すでに、耐性を持つ様々な細菌が確認されている。このため、感染症の予防や治療が困難になるケースが増えており、今後も抗菌薬の効かない感染症が増加することが予測されているという。この「薬物耐性」への啓発のためタレントのJOYさん、篠田麻里子さんを応援大使とするイベントが行われた。

処方された薬を「飲みきる」ことが大切

 東京・二子玉川で開催されたイベント開催前に道行く人にアンケートをしたところ、「薬剤耐性」を知っている人は15人、知らない人は108人だったという。まだまだ、「薬剤耐性」への認識は低いといえる。

 このイベント「学ぼう、薬物耐性~あなたのリスク、ほどよいクスリ~」では内閣官房国際感染症対策調整室の山田安秀室長、国立成育医療研究センターの庄司健介医師、薬剤耐性対策普及啓発応援大使のJOYさん、篠田麻里子さんが登場した。

 耐性菌が増えると、抗菌薬が効かなくなることから、これまでは、感染、発症しても適切に治療すれば軽症で回復できた感染症が、治療が難しくなって重症化しやすくなり、さらには死亡に至る可能性が高まるという。

 そうならないためには、どうすればいいのか?

 まずは、病院で抗菌薬などの薬が処方された場合、薬を「飲みきる」こと。抗菌薬を使うと一部の菌はどうにかしてか生き残ろうと抗菌薬が効かなくなるしくみを作りだそうとする。中途半端な期間飲んだり、用法・用量を守らず飲むと、そうした能力を一部の菌が獲得したり、効きにくい菌を増やしたりすることになる。「決められた用量・用量を守って飲みきることがまず、大切となるのです」と庄司医師は話した。

 普段の薬の飲み方について問われたJOYさん、篠田さんともに用法・用量を守り、お医者さんに処方された薬は全て飲み切っているとコメントしていた。

風邪に抗菌薬は効かない

 風邪と聞くと、早く治すため抗菌薬の処方を望む人も多いが、風邪の原因のほとんどはウイルスであり、抗菌薬は効かない。「風邪の場合は、抗菌薬を飲んでも改善しません。不要な抗菌薬を飲むことで、かえって耐性菌など、深刻な問題がでてくることがあるのです」と山田室長は話す。

 一方で、風邪と思える症状にも抗菌薬が必要な病気も隠れている場合もあるので、家に残して置いた薬を飲むのではなく、そのつど病院を受診することの重要だという。

 子どもを持つ親にとって頻繁に風邪をひく子どもの薬は悩ましい問題だ。子どもは大人に比べて風邪を引きやすい。混んでいる小児科に連れて行くより、前回の風邪の時に病院でもらった薬をとりあえず飲ませて様子を見たい・・・と思ってしまいがちだが、「医師とそのつど相談することが大切だ」と庄司医師は強調。その上で、シロップ、粉状の薬など「子どもが確実に飲むことができる薬を処方してもらうことが秘訣だ」と話した。

 また、「自分が耐性菌を持っているか調べるべきか?」という篠田麻里子さんからの問いかけには、「元気な時にわざわざ調べる必要はない」「普段から気をつけるべきといったものではない」といった回答が出された。

一人一人の心がけが「薬剤耐性」をなくす

 「薬剤耐性」がこのまま進行すると薬が効かない病原体が数多く出現し、多くの人が命を落としたり、耐性菌が流行し、街中で感染したりする危険性も出てくるという。こうした危険は一人一人の心がけで防ぐことができる。その第一歩として、病院で処方された薬は用法・用量を守って飲むこと、最後まで飲みきる事という心がけが大切と強調した。

 JOYさんは、薬剤耐性対策普及啓発の応援大使になる上で、「自分も大きな病気をしたからこそ(2011年に肺結核)、薬をしっかり飲んで、自分の命は自分で守るためにも『薬剤耐性』は知ってほしいことだなと思いました。」と篤い想いを語った。

 また、この問題は人間の世界だけではないという。

 ペットも家畜も含めた動物の世界では、人間の2倍の量の抗菌薬が使われているという。動物で発生した耐性菌が人間に感染する可能性もある。

 愛犬家である篠田麻里子さんは「現在8歳の愛犬はまだ病気はありませんが、将来、もし病気になった時は用法、用量を守って決められた期間、きちんと薬を飲ませたいと思います」と笑顔で話した。

*イベントの模様は、3月12日(日)19:00~TOKYO FMサンデースペシャル「応援大使のJOYさん・篠田麻里子さんと学ぼう、薬剤耐性~あなたのリスクほどよいクスリ~」として放送。

(あなたの健康百科編集部)

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