2017年03月17日 06:00 公開

22~24週の超早産児、生存率が向上

神経発達障害の増加は見られず、米調査

 母親の胎内で37~42週を過ごし、正期といわれる週数で生まれてきた赤ちゃんでさえもその存在は小さく、頼りない。何らかの理由で妊娠22~24週の極めて早期に生まれた赤ちゃんは、なおさらだ。22~24週で超早期に生まれてきた児はその後の生存が難しく、生存してもさまざまな神経発達障害が残る場合が多いというが、このたび、米国の研究グループらが2000~11年に米国の11施設で22~24週で出生した児4,000人超のデータを分析。その結果、実際に産まれた日ではなく、出産予定日を基準にした月齢である修正月齢18~22カ月時における生存率が向上していただけでなく、神経発達障害を伴わずに生存している割合も増加していることが明らかになったと医学誌「New England Journal Medicine」(2017年2月16日オンライン版)に発表した。

親や担当医にとって重要なデータに

 同研究グループによると、妊娠22~24週で出生した児に対する蘇生や管理のアプローチは確立されていない。一方で、過去20年間の超未熟児における生存率は向上傾向にあり、特に2008年以降、妊娠23~24週で出生した児の生存率は大幅に上昇したという。

 ただ、22~24週出生児の生存例の増加に伴い、神経発達障害がある児も増加しているのではないかとの指摘があった。両親や担当医にとっては、死亡率のデータだけでなく、生存例の神経学的な発達に関するデータも重要となる。しかし、これまで生存率に関するデータは存在したが、神経学的な発達に関するデータはほとんどなかったことから、同グループらは今回の研究を実施したとしている。

 同研究グループは、2000~11年に11の施設で妊娠22~24週で出生した児の生存率および神経学的発達について検討した。

 期間を2000~03年(第1期)、2004~07(第2期)、2008~11(第3期)に分け、修正月齢で18~22カ月時点を①神経発達障害を伴わない生存②神経発達障害を伴う生存③死亡―に分類。さらに、出生施設を含む複数の乳児背景因子を調整後、評価した。

周産期医療、新生児医療の進歩が関与か

 11施設において妊娠22~24週で出生した児4,274人のデータを分析した結果、修正月齢18~22カ月時における生存率は第1期の30%(1,391人中424人)から第3期には36%(1,348人中487人)に有意に改善していた。

 また、修正月齢18~22カ月時に神経発達障害を伴わずに生存していた児の割合も、第1期の16%(1,391人中217人)から第3期には20%(1,348人中276人)へと有意に改善していた。一方、生存したものの神経発達障害が残った児の割合は第1期が15%(1,391人中207人)、第3期が16%(1,348人中211人)と明らかな変化はなかった。

 さらに、第1期に比べ第3期は「死亡」に対する「神経発達障害を伴う生存」の割合は1.27、「神経発達障害を伴わない生存」の割合も1.59とそれぞれ増加しており、22~24週児の生存率は向上しているが、それに伴って神経発達障害を伴う生存例が増加しているわけではないことが示された。

 この結果について、同グループは「周産期医療や新生児医療の進歩があるのではないか」と考察。また、胎児の肺成熟を目的としたステロイド投与が普及したことも改善に寄与した可能性があるとの見解を示している。

(あなたの健康百科編集部)