2017年03月23日 06:00 公開

妊娠中の内視鏡検査は、胎児に悪い?

 消化器内視鏡検査は、先端に小型のカメラまたはレンズを内蔵した細長い管を体内に挿入し、食道や胃、腸などの消化管内を観察するものだ。がんやポリープなどの早期発見や早期診断、そして最適な治療方針の決定などにも役立つ。このたび、スウェーデンのノッティンガム大学などの共同研究グループから、消化器内視鏡検査に関する研究結果が報告された。妊娠中に検査を受けた女性に、早産のリスクと胎児の発育の遅れが見られたという。詳細は、2月発行の医学誌「Gastroenterology」(2017;152:554-563)に掲載されている。

早産リスクは1.54倍、子宮内胎児発育不全リスクは1.30倍

 早産とは、妊娠22~36週に赤ちゃんが生まれてしまうことをいう。また、「子宮内胎児発育不全」とは、子宮内の胎児の成長が何らかの理由で遅れている状態で、胎児は同じ在胎週数のその他の子どもたちに比べて非常に小さい。

 研究グループは、1992~2011年のスウェーデンの医療出生登録と患者登録から、妊娠中に消化器内視鏡検査を受けた女性3,052人を抽出。どのような妊娠の経過をたどったかについて調べ、妊娠中にこの検査を受けなかった女性158万9,173人と比較した。

 その結果、妊娠中に消化器内視鏡検査を行った女性は、行わなかった女性に比べて、早産のリスクが1.54倍高かった。また、子宮内胎児発育不全のリスクは、1.30倍高かった。

 一方、妊娠中の消化器内視鏡検査による、死産と先天奇形への明らかな影響は認められなかった。

 さらに研究グループは、妊娠前または出産後1年以内に消化器内視鏡検査を受けた女性と、妊娠中に受けた女性を比較した。すると、妊娠中に消化器内視鏡検査を受けた女性で、早産のリスクが1.16倍高かった。しかし、子宮内胎児発育不全に関しては、妊娠中の検査による明らかなリスクの上昇は見られなかった。そして、死産、先天奇形についても同様に、妊娠中の検査による明らかな影響は見られなかったという。

 研究グループは、「妊娠中の消化器内視鏡検査には、ごくわずかながら早産や胎児の発育不全といったリスクがあった。ただし、妊婦の抱えている病気の程度など、他の要素が影響している可能性も考えられる」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)