2017年04月19日 06:00 公開

糖尿病患者、うつを招く生活パターンとは

 2型糖尿病患者はうつ病を併発しやすいと言われている。日本では、糖尿病患者でうつ病を併発している人は11.4%との報告もあり、両者の合併に苦しんでいる人は少なくない。このたび、タイのマヒドン大学の研究グループから、これら2つの病気に関連する研究結果が報告された。2型糖尿病患者のうち、夜型の生活を好む人は、早寝早起きの朝型生活の人に比べて、睡眠の質にかかわらず、うつ病の症状が出やすいという。本結果は、4月1~4日に米国フロリダ州で開催された第99回米国内分泌学会議で発表された。

夜型生活の患者で、うつの出現傾向がアップ

 これまでに行われた研究によると、うつ病を放置すると、糖尿病のセルフケアがうまくいかなくなる、血糖コントロールが乱れる、合併症が起こるなど、病状が悪化することが分かっている。

 また、糖尿病ではない健康な人では、夜型生活をしていると、朝型生活をするよりもうつ病の症状が現れやすい傾向があると報告されている。

 そこで今回、研究グループは、うつ病の発症リスクが高いとされる2型糖尿病患者を対象に、夜型生活がうつ症状に及ぼす影響について検討した。

 赤道近辺に住む人は朝型の生活を好むなど、生活パターンは地理的条件によっても異なるため、今回は、米国シカゴとタイの2つの異なる地域に住む糖尿病患者を研究対象に選んだ。

 シカゴのグループは194人で、そのうち70%が女性だった。同様に、タイのグループでは、282人のうち67%が女性だった。参加者全員に、うつ病の症状、睡眠の質、活動時間および睡眠時間の好みに関するアンケートに答えてもらった。シカゴのグループは、2月から4月初めにアンケートに回答してもらったが、季節変動の少ないタイのグループでは、年間を通してアンケートを実施した。

 その結果、両グループとも、夜型生活を好む人は、朝型生活を好む人に比べてうつ症状が現れやすかった。年齢や性別、睡眠の質などに偏りがないよう調整を加えた後も、その傾向は変わらなかった。

 研究グループは、今回の結果について「2型糖尿病患者において、生活リズムとうつ症状の出現に関連が見られた」と述べつつも、「だからといって、夜型生活が原因でうつ症状が現れるというわけではない」と、両者の因果関係を示すものではないことを強調した。

 さらに、研究グループは、「概日リズム(体内時計)の改善には、光による刺激やメラトニンの投与などの治療法があるが、これらの方法をどのように組み合わせたらよいかを模索するには、さらなる研究が必要だ」とコメント。最後に、「うつ病と概日リズムの関係をより詳しく解明することで、糖尿病患者に対して心身の両面から健康をサポートすることができるかもしれない」との考えを示した。

(あなたの健康百科編集部)

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  • 第99回米国内分泌学会議