2017年07月31日 06:00 公開

適量でも危ない!? 飲酒で脳に悪影響

 毎日暑いし、仕事はハード。風呂上がりの1杯で、心と体の疲れを一気にリセット。そんな人も多いだろう。明日への活力にもなるアルコールだが、英国オックスフォード大学などの研究グループが、飲酒に関して気になる研究結果を発表した。たとえ適量であっても、お酒を飲むと記憶をつかさどる脳の海馬が萎縮するなど、脳に有害な影響を及ぼすというのだ。研究の詳細は、6月6日発行の医学誌「BMJ」(2017;357:j2353)に掲載されている。

多量飲酒で脳の萎縮が5.8倍に

 研究グループは、適量のアルコールが脳の構造や機能にどのような影響を及ぼすのかを検討。英国内で実施された研究の参加者のうち、脳の核磁気共鳴画像(MRI)検査を受けた男女550人(平均年齢43.0歳)を対象に、過去30年にわたるデータを解析して、1週間のアルコール摂取量と脳の変化との関連を調べた。

 アルコールの摂取量は、1単位をアルコール8gとした。これは、アルコール度数5%のビール200mLに相当する。

 解析の結果、過去30年間のアルコールの摂取量が増えるごとに、海馬の萎縮リスクが上昇していた。海馬の萎縮リスクは、アルコールを飲まないグループと比べて、週30単位以上の多量飲酒グループで5.8倍と最も高かった。また、週14~21単位の適量グループでも、海馬の萎縮リスクは3.4倍と高かった。

 一方で、週1~7単位未満しかアルコールを飲まないグループであっても、海馬の萎縮リスクを抑制する効果は認められなかった。

 さらに、アルコールを多量に飲むと、左右の大脳をつなぐ神経線維の集まりである「脳梁(のうりょう)」の構造に変化が見られたり、言葉を流ちょうに話す機能が急速に低下したりした。

 研究グループは、「アルコール摂取による脳への影響に関する研究は数少ない。さらなる研究を重ね、今回の結果を検証することが重要だ」と今後の課題を示した。

(あなたの健康百科編集部)