2017年08月01日 06:00 公開

子ども時代のIQが高いと長生き?

IQスコアとその後の死亡原因との関連

 頭の良し悪しが寿命に関連しているという。そんな話は初耳だと思う人が多いのではないだろうか。しかし、多くの研究で、子ども時代に測定された知能レベル(IQ)が高い人は、低い人より少し長生きする傾向があることが観察されているという。英国の研究グループが子ども時代のIQスコアが高いほど、冠動脈性心疾患、脳卒中、がん、呼吸器疾患、消化器疾患などの死亡率が低いと医学誌「BMJ」(2017;357:j2708)に発表した。

呼吸器系疾患で28%、脳卒中で24%リスクが低く

 研究グループは、1936年にスコットランドで生まれた少年3万3,536人と少女3万2,229人の11歳時の知能検査成績とその後68年間の死亡原因をリンクさせ、解析を行った。

 子ども時代のIQスコア分布から、ばらつきを表す標準偏差(SD)は約15ポイントだった。この1SDの差があると、各疾患での死亡率リスクはどのくらい上がるのか、または下がるのかの比較を行った。

 その結果、IQが高かった人は呼吸器疾患の死亡リスクが28%、冠状動脈性心疾患は25%、脳卒中は24%と顕著にリスクが低くなった。さらに、関連性があったものとしては、けが19%、喫煙関連のがん18%、消化器疾患18%、認知症16%と死亡リスクがやや低くなった。

 さらに、自殺は13%、喫煙に関連しないがん4%の死亡リスク低下が見られた。男性よりも女性で、IQと冠状動脈性心疾患、喫煙関連がん、呼吸器疾患および認知症とわずかだが強く関連していたという。

 また、がんを部位別に解析した結果、肺がん25%、胃がん23%、膀胱がん19%、食道がん15%、肝臓がん15%、大腸がん11%および血液がん9%リスクが低くなった。

 これらの研究では、子ども時代のIQスコアはその後の死亡原因のリスクと大きく関連していることが確認された。また、IQが喫煙といった社会的にすでに知られている死亡リスク要因と強く関連していることが示された。

(あなたの健康百科編集部)