2017年08月03日 06:00 公開

高コレステロールの女性で自殺リスク上昇

国立がんセンターJPHC研究より

 コレステロールは動脈硬化や脳卒中、心臓病などと密接な関連があることは明らかになっているが、驚くべきことに自殺とコレステロールにも関連性があるという。このほど、国立がんセンターの研究グループが、女性では血液中のコレステロール値が高いと自殺リスクが上昇すると、医学誌「Acta Psychiatrica Scandinavica」(2017 May 26)に発表した。

高コレステロールで自殺リスクが1.9倍

 国立がんセンター研究グループは、日本人の生活習慣病とがん、脳卒中、心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防と健康寿命に役立てるJPHC研究を行っている。

 今回の調査結果は、その一貫として1990年と1993年に岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、東京都葛飾区、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の11の保健所管内に住んでいた、40~69歳の男女約4万5千人を調査した。

 平均19.6年の追跡期間中に男性107人、女性78人が自殺によって亡くなった。

 対象者をコレステロール値によって「低い」(180mg/dl未満)、「中間」(180~220mg/dl)、「高い」(220mg/dl上)の3つのグループに分類し、解析を行った。

 その結果、女性では、「中間」グループと比較して「高い」グループで自殺のリスクが1.9倍上昇していた、また、また、LDLやHDLコレステロールの増加も自殺リスクを高めていた。一方、男性では、血清コレステロールと自殺に関連性は見られなかったという。

 高コレステロールの女性で自殺リスクが高くなった理由の1つに、高コレステロールが脳血管性うつ状態を誘発することが報告されており、それが自殺リスクの上昇に影響を及ぼした可能性があるという。

 また、日本型の食事は欧米型の食事に比較して自殺リスクを下げるといわれているが、日常生活において欧米型の食事パターンが増え、自殺リスクの上昇に作用している可能性もあるという。

 今回の研究では、追跡期間中のコレステロール値の変化や抗コレステロール薬との関連を検証していないため、今後はさらなる研究の蓄積が必要だとしている。

(あなたの健康百科編集部)