2017年08月08日 06:00 公開

「ちょい漏れ」に効く電気鍼

腹圧性尿失禁への有効性を確認

 咳やくしゃみをしたとき、思いっきり笑ったときなど、強い腹圧がかかるような動作をしたときに尿が漏れてしまう「腹圧性尿失禁」。出産や加齢も原因となることから、中高年女性に多く見られる。日常生活に不安を覚え、悩んでいる人も少なくないのでは。そんな中、中国の研究グループが腹圧性尿失禁の治療に関する研究結果を報告した。中高年女性の腹圧性尿失禁に対して、腰の下方(付け根の部分)に電気鍼(しん)治療を行うと、尿漏れを軽減できるという。研究の詳細は、6月27日発行の医学誌「JAMA」(2017;317:2493-2501)に掲載されている。

6週間の治療で、尿漏れ量が9.9g減

 皮膚に刺した鍼(はり)に弱い電流を流して電気刺激を与える電気鍼。腹圧性尿失禁の女性には、腰の付け根の部分への電気鍼治療が有効だと言われている。しかし、科学的根拠に基づいた裏付けは、まだ不十分だ。

 そこで研究グループは、中国国内の12施設で腹圧性尿失禁の女性に対する電気鍼治療の有効性を確認する試験を行った。

 腹圧性尿失禁の中高年女性(平均年齢55.3歳)504人を、①6週間で18回、腰の付け根付近に電気鍼治療を行う「治療群」、②偽の鍼治療を行う「対照群」に二分し、尿漏れの改善度を比較した。

 試験開始時点の平均尿漏れ量は、治療群が18.4g、対照群が19.1gだった。また、72時間の平均尿失禁回数は、それぞれ7.9回と7.7回だった。

 6週間の治療を終了できた482人について分析したところ、6週時点の尿漏れ量の平均変化は、対照群が2.6g減だったのに対して、治療群は9.9 g減と、治療群で明らかに改善度が高かった。また、72時間の平均尿失禁回数も、治療群が、対照群に比べて大きく減少していた。

 治療時に見られた好ましくない症状の発生率は、治療群で1.6%、対照群では2.0%で、その程度はすべて軽度だった。

 研究グループは、「腹圧性尿失禁の女性では、偽治療と比較して、6週間にわたる腰の付け根の部分の電気鍼治療で尿漏れが改善した。長期的な有効性や改善の仕組みを理解するには、さらなる研究が必要だ」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)