2017年08月28日 06:00 公開

寝たきり回避、高齢者の骨折予防に有効な薬

 年を取ると、複数の持病を抱える人が増えてくる。毎日いくつもの薬を飲まなければならない人も少なくない。ステロイド薬は炎症の抑制に有効で、関節リウマチや膠原病の治療に広く使われている。しかし、骨折リスクを高めるとされ、服用には注意が必要だ。そうした中、スウェーデンのイエーテボリ大学などの研究グループが、ステロイド薬を服用している高齢者に、骨粗しょう症治療薬「アレンドロン酸」を投与すると、太ももの付け根部分(大腿骨近位部)の骨折を予防できることを報告した。研究の詳細は、7月11日発行の医学誌「JAMA」(2017;318:146-1551)に掲載されている。

骨粗しょう症治療薬で骨折リスクが65%低下

 骨折をすると日常生活がかなり制限される。中でも高齢者は、一度骨折すると治りが悪く、骨折を機に寝たきりになってしまうこともまれではない。実際に骨折は、認知症や脳卒中と並び、「寝たきり」原因の上位を占める。そのため、高齢者の骨折予防はとても重要だ。

 このたび研究グループは、65歳以上の健康診断受診者43万3,195人のデータから、ステロイド薬5mg/日以上を3カ月以上服用した後に、アレンドロン酸を処方された1,802人を抽出。太もも付け根部分の骨折リスクを、アレンドロン酸を処方されていない対照1,802人と比較した。

 検討対象全体の平均年齢は79.9歳で、2,524人(70%)が女性だった。追跡期間(中央値)1.32年の間に起こった太もも付け根部分の骨折は、アレンドロン酸処方群が27人、対照群が73人だった。

 解析の結果、アレンドロン酸の使用により、太もも付け根の骨折リスクが65%低下した。その一方で、アレンドロン酸の使用による吐き気や胸焼け、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの増加は見られなかった。

(あなたの健康百科編集部)