2017年10月10日 06:00 公開

スマホ・アプリで禁煙治療、日本初の治験開始

 ニコチン依存症治療用アプリケーション(アプリ)の開発を慶應義塾大学呼吸器内科と共同で取り組む株式会社キュア・アップは10月3日、ニコチン依存症治療アプリ「CureApp禁煙」の治験を開始すると発表した。この治験は日本初の"アプリの治験"となるという。

よりきめ細やかなサポートに期待

 喫煙によるニコチン依存症は、薬物依存症(精神疾患)の一種であり、「身体的依存」と「心理的依存」の2種類の依存があると言われている。「身体的依存」は、医薬品である禁煙補助薬が有効とされ、治療ができる。これに対し「心理的依存」は、長年の喫煙習慣により身についたタバコを欲する習慣や癖からの逸脱ができない心理状態が原因とされる。そのため、医薬品の効果が示されておらず、「心理的依存」を克服する医学的なサポートが不足していると言われている。

「CureApp禁煙」は、禁煙外来で医師が処方するニコチン依存症の治療アプリだ。診療時間以外でも個々の禁煙希望患者に応じたアドバイスが可能なため、より効果的な禁煙治療が可能になると考えられている。

 同社は現在、このアプリについて、日本初となる薬事承認および保険償還の取得を目指しており、アプリの治験(臨床試験)を開始した。国内で治療用アプリの治験が始まるのは初めてだという。

 同治験は、ランダム化比較臨床試験という手法を取っている。全国の医療機関30施設において、試験への参加を同意した禁煙外来患者が、禁煙補助薬による治療に治療アプリの使用を併用する人としない人にランダムに割り付けられ、禁煙を持続している割合を比較することになっている。

 なお現在の禁煙外来の禁煙成功率は、治療開始後1年では30%未満にとどまると報告されている。この背景として、禁煙外来で治療を受けていても、職場や家で過ごす長い時間は自分だけの"孤独な戦い"を強いられる。その間に生じる離脱症状の苦しさなどから、禁煙を断念してしまうケースが多いと考えられている。

 喫煙習慣は意志の弱さの表れではない。医学的には「心理的ニコチン依存」と呼ばれる状態である。こうした治療アプリは、常に患者の身近にあるスマホの特性を活かし、よりきめ細やかなサポートを可能とすると期待されている。

(あなたの健康百科編集部)