2017年10月11日 06:00 公開

善玉コレステロール、過ぎたるは及ばざる?

 LDLコレステロールは、増え過ぎると血管内に蓄積され動脈硬化の原因になる。HDLコレステロールは、別名「善玉コレステロール」とも呼ばれ、血管内にたまった余分なコレステロールを回収して、肝臓まで運んでくれる。善玉ゆえ、多ければ多いほどよさそうだが、そうとばかりも言えないようだ。この度、デンマークのコペンハーゲン大学の研究グループから、HDLコレステロール値が過度に高いと死亡リスクが高まるとの研究結果が報告された。詳細は、8月21日発行の医学誌「European Heart Journal」(2017;38:2478-2486)に掲載されている。

HDL値と死亡に「U字型」の関係

 HDLコレステロール値は、高いほど狭心症や心筋梗塞といった心血管の病気や死亡のリスクが低くなると言われている。ただ、遺伝的にHDLコレステロール値が高い場合、心血管の病気が増える可能性があるという報告もある。

 今回、研究グループは、デンマーク国内で実施された2件の集団研究に参加した男性5万2,268人、女性6万4,240人を対象に、HDLコレステロール値と死亡との関連を調べた。

 対象者の追跡期間の累計は74万5,452人・年。この期間に死亡したのは、男性5,619人、女性5,059人だった。

 解析の結果、死亡リスクが最も低くなるHDLコレステロール値は、男性73mg/dL、女性93mg/dLだった。この数値の人と比較した男性の死亡リスクは、97~115 mg/dL群で1.36倍、116 mg/dL以上の群では2.06倍、それぞれ高かった。女性でも、HDLコレステロール値93mg/dLの人と比較した死亡リスクは、116~134mg/dL群で1.1倍、135mg/dL以上の群で1.68倍、それぞれ高かった。

 つまり、HDLコレステロール値と死亡リスクとの間には、男女ともに「U字型」の関係が成り立っていた。HDLコレステロールが、死亡リスクが最も低くなる値を中心として、それより高くなる、または低くなるにつれて、死亡リスクが上昇した。

 研究グループは、「今回の結果を検証するためには、さらなる研究が必要だ」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)