2017年10月12日 06:00 公開

中年期の○○が将来の認知症を予測

 自分が将来、認知症になるかどうかを知る方法があるなら教えてほしい―多くの人はそう思うだろう。このたび、米国ジョンズ・ホプキンズ大学などの研究グループが行った調査により、将来の認知症を予測しうる要因が、一部明らかになった。米国人1万5,000人超を長期にわたり追跡したところ、中年期にたばこを吸っていたり、糖尿病や高血圧になったりする人は、将来的に認知症になるリスクが高まるという。研究の詳細は、8月7日発行の医学誌「JAMA Neurology」(電子版)に掲載されている。

中年期の喫煙者は、将来の認知症リスクが1.41倍に

 喫煙、糖尿病、高血圧、肥満、脂質異常症などのリスク因子は、知らず知らずのうちに動脈硬化を進行させ、ついに心臓や脳の血管を詰まらせて血管病に至る。これらのリスク因子は、その数が増えるほど、血管病を引き起こす可能性も高くなる。

 研究グループは、1987~89年に44~66歳だった男女を登録し、2011~13年まで追跡した。その間に、計5回の認知機能検査を実施した。

 今回、解析の対象としたのは1万5,744人。黒人27.1%、白人72.9%だった。

 対象者のうち、1,516人が認知症と判定された。そのうち、女性は57.0%、黒人は34.9%で、登録時の年齢は平均57.4歳だった。

 解析の結果、将来的に認知症になるリスクは、中年期に喫煙していた人では、喫煙していない人に比べて1.41倍高かった。また、中年期に糖尿病を患っていた人では、非糖尿病の人に比べて1.77倍高かった。さらに、中年期に最高血圧140 mmHg以上、最低血圧90 mmHg以上の高血圧だった人は、高血圧でない人に比べて1.39倍高かった。

 しかし、中年期の総コレステロール値と将来の認知症リスク上昇との間には、そのような関連性は見られなかった。

 喫煙について人種別に解析したところ、白人では、中年期の喫煙が、非喫煙者に比べて将来的な認知症リスクを1.62倍高めてしまい、認知症の予測因子となった。一方、黒人においては、白人で見られたような関連性は認められなかった。

 この人種差について、研究グループは、「白人の喫煙率が黒人に比べて高かったことが原因かもしれない」と推察している。

 今回の研究を振り返り、研究グループは、「認知症の判定には、電話による認知機能評価や介護者など本人以外への聞き取りといった手法も用いたため、一部の判定は不正確だった可能性もある」と調査の限界を示した。

 その上で、「中年期の喫煙や糖尿病、高血圧といったリスク因子が、将来的に起こりうる認知症の発症予測に重要な役割を果たすことが判明した」と評価。「認知症との関連が認められたリスク因子は、いずれも生活習慣の改善により修正可能なもの。それゆえ、認知症の多くは、予防または遅延が可能である」と強調した。

(あなたの健康百科編集部)