2017年10月16日 06:00 公開

川崎病患者が2015年に過去最多を記録

2015~16年の川崎病全国調査成績

 川崎病は、毎年約1万人がかかる原因不明の乳幼児の病気で、日本では川崎病患者の実態を調べる全国調査が1970年以降2年に1回行われてきた。この度、2015~16年の2年間の調査「第24回川崎病全国調査」の成績が、日本川崎病研究センター川崎病全国調査担当グループの中村好一氏(自治医科大学公衆衛生学教室教授)らによって発表された。今回の調査結果では、2015年の患者数は調査が開始されて以来、最多の1万6,323人に上り、罹患率は大規模な流行が発生した1982年よりも高かった。

患者は1970年から合計36万人

 川崎病は主に乳幼児がかかる病気で、主な症状には①発熱、②白目の充血、③唇の紅潮・イチゴ舌(イチゴのように赤く、ブツブツした状態)、④首のリンパ節の腫れ、⑤全身の発疹、⑥手足の変化(手のひら、足の裏が赤くなり、霜焼けのように腫れ上がる。熱が下がるころに指先から皮がむける)がある。

 今回の調査では、2015年1月1日~16年12月31日に小児科を標榜する100床以上の病院および100床未満の小児専門病院を受診した川崎病初診患者について、郵送または電子メールで調査票を送付した。調査対象は1,881施設で、1,444施設からの回答が得られた(回答率76.8%)。このうち、患者報告は965施設からあった。

 その結果、患者数は2015年が1万6,323人(男性9,385人、女性6,938人)、2016年が1万5,272人(同8,675人、6,597人)だった。過去23回の全国調査で報告された患者を合計すると、2016年末までの患者数は計36万2,710人(同20万9,508人、15万3,202人)になった。

 2015年と2016年の罹患率(0~4歳人口10万対)はそれぞれ330.2人(男性371.2人、女性287.3人)、309.0人(同343.2人、273.2人)で、2015年の罹患率は過去最高だった。

 患者数の男女比は1.33、罹患率の男女比は1.27で、いずれも男性の方が高く、これまでの結果と同様であった。

罹患率が著明に上昇

 患者数の年次推移を見ると、過去3回(1979、82、86年)の全国的な流行を経た後、1995年ごろから年々増加している。2010年には1万2,755人と流行年の1986年(1万2,847人)とほぼ同数に達した。2013年以降は毎年1万5,000人を超え、過去最大の流行が見られた1982年(1万5,519人)を上回った()。

図. 川崎病の年次別、性別患者数・罹患率の推移

(第24回川崎病全国調査成績)

 その後も患者数は増加し続け、2015年には患者数、罹患率ともに過去最高を記録したわけだ。2016年には患者数がやや減少(1万5,272人)し、1982年とほぼ同数であったが、罹患率(0~4歳人口10万対330.2人)は1982年(同196.1人)の1.58倍と、著明に上昇している。これは、少子化の影響で罹患率を算出する際の分母となる0~4歳人口が減少したためと考えられる。

 患者数の月別、季節別の推移を見ると、過去6年間はほぼ同様の季節変動があった。秋季(9~10月)に少なく、春季~夏季に増加していた。2015年1月には過去最高の患者数であったが、2016年は夏季(6~7月)に少なく、秋季(10~11月)に増加が見られた。

 患者数の年齢分布を見ると、3歳未満の割合が全体の64.1%(男性65.1%、女性62.7%)を占めていた。2015年、2016年の性・年齢別の平均罹患率をからは、出生直後は低いが、生後9~11カ月時にピーク(人口10万対、男性598.3、女性431.9)に達し、その後は年齢と共に減少する、一峰性の分布が認められた。この傾向はこれまでと同様であったという。

 以上のような疫学のデータから、中村氏ら研究グループは、川崎病の発症における感染症の関与を疑っている。しかし、原因がいまだ不明なため、患者数の増加や罹患率の上昇の原因も明らかになっていない。

(あなたの健康百科編集部)