2017年10月23日 06:00 公開

太極拳が心臓リハビリの代わりになる

米研究

 米国では心筋梗塞後患者の60%以上が心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)への参加を拒むという。米・Brown UniversityのElena Salmoirago-Blotcher氏らは、6カ月間の太極拳プログラムが心臓リハビリの代わりになりうるとする研究成果をJ Am Heart Assoc2017;6: e006603)に発表した。

3カ月と6カ月のプログラムを比較

 心筋梗塞などを起こした患者には、手術などの治療後に心臓リハビリを行うことが推奨されている。死亡のリスクが低下するからだ。しかし、米国ではこのような患者における心臓リハビリ参加率は40%未満である。参加を拒む理由は、リハビリ運動が不快、痛い、不可能だという患者の感情や、リハビリ施設までの距離、高額な自己負担費用などである。

 Salmoirago-Blotcher氏らは、心臓リハビリの代わりとして太極拳に着目。心筋梗塞などを発症後に心臓リハビリを拒否した患者29人(女性8人、男性21人、平均年齢67.9歳)を2つのグループに無作為に分けて、Aグループ(16人)には3カ月、Bグループ(13人)には6カ月の太極拳プログラムを集団で実施し、9カ月後まで効果を比較した。

Aグループ:太極拳プログラム2回/週×12週間

Bグループ:太極拳プログラム3回/週×12週間+延長プログラム12週間

 なお、どちらのグループの参加者にもDVD教材を配布し、それを使用して自宅でも週3回以上太極拳を行うよう指導した。

9カ月後も参加者の9割が継続、6カ月プログラムのほうが効果的

 その結果、9カ月後も太極拳プログラムを続けていたのはAグループが90%、Bグループが88%だった。参加者の95%は太極拳を非常に楽しいと感じ、全員が友人に勧めたいと答えた。太極拳に関連する有害な問題は、開始直後の軽度の筋肉痛だけだった。

 BグループではAグループに比べ、日常において中程度~激しいレベルの身体活動量を行う時間が長くなった。また、Aグループに比べ体重がより多く減少し、生活の質も良くなっていた。

 以上から、Salmoirago-Blotcher氏らは6カ月間の太極拳プログラムは安全で効果的と結論。地域レベルで取り組むことも可能かもしれないと期待を寄せている。また、米・Massachusetts General HospitalのJames P. Pirruccello氏らは「太極拳は、呼吸やリラクゼーションエクササイズのようなストレス軽減のメカニズムを通して心臓に好影響をもたらす可能性が高い」と指摘している。

(あなたの健康百科編集部)