2017年10月24日 06:00 公開

医療用保湿剤の誤解

美容アイテムではありません

 皮膚科で処方される医療用保湿剤の血行促進作用や皮膚の保湿作用が注目され、美容アイテムとして雑誌やウェブで紹介された。それがきっかけとなって、医療用保湿剤を美容目的で医師に処方してもらうケースが増え、問題になっている。本来、美容目的で健康保険を使うことはできない。

多くはスキンケアで対応すべきケース

 問題処方となっているのは、ヘパリン類似物質(商品名ヒルドイド、ヒルドイドソフト)や白色ワセリン(商品名プロペト)などの医療用保湿剤である。これらの保湿剤は、皮膚科では進行性指掌角皮症(手荒れ)、皮脂欠乏症(乾燥肌)の他、打撲・捻挫の後に見られる腫れや血腫などの治療で処方されている。

 手荒れや乾燥肌は、当然ながら全てが皮膚の病気に当たるわけではなく、病気とは言えない手荒れや乾燥肌の方がはるかに多い。その場合は①低刺激の石けんで洗う②ぬるめの温度で入浴する③油性成分が入った低刺激性保湿剤を塗る-などの通常のスキンケアで対応が可能だ。

 にもかかわらず、一般向けの雑誌や個人ブログで医療用保湿剤を美容アイテムとして使用することを勧める記事や、医師に処方してもらうための手順を紹介する記事まで見られるようになった。

 ヒルドイドを製造・販売する製薬会社のマルホは、こうした記事が掲載される度に、美容目的での処方は法律に触れる恐れがあると、発行・配信元に伝えてきたという。しかし、ツイッターやフェースブックで拡散された誤った情報の全てを把握することは、極めて難しいのが実情だ。

 同社は、患者の自己判断で治療以外にヒルドイトを使用するのは「適切な効果が見込めないだけでなく、思わぬ副作用が発現するリスクがある」と、注意を呼びかけている。

(あなたの健康百科編集部)