2017年10月30日 06:00 公開

アンジェリカさん「乾癬、告白してよかった」

世界乾癬デー2017メディアイベント

左から柴崎弘之氏、道端アンジェリカさん、中川秀己教授


 毎年10月29日は、「世界乾癬デー」だ。IFPA(国際乾癬患者団体連合会)によって2004年に定められ、WHOもこの日を通じて乾癬に関する啓発活動を行うよう加盟国に奨励している。10月25日、「世界乾癬デー」を迎えるに当たり、日本乾癬学会、日本乾癬患者連合会、製薬企業7社の共催でメディアイベントが行われた。イベントには日本乾癬学会理事で東京慈恵会医科大学皮膚科学講座主任教授の中川秀己氏、日本乾癬患者連合会会長の柴崎弘之氏の他、今年5月にSNSで乾癬であることを「カミングアウト」したモデルの道端アンジェリカさんが登壇した。

乾癬が人にうつることは絶対にない!

 全世界で約1億2,500万人、日本国内で約40万人の患者がいるとされる乾癬。頭部や手足などの皮膚が赤くなってもり上がり、表面に銀白色のかさぶた(鱗屑)が付着して、フケのようにぱらぱら落ちるといった症状が現れる。関節の腫れや痛み(関節症性乾癬)を伴ったり、高血圧や糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞を合併することもある深刻な疾患だ。

 はっきりとした原因はまだ分かっていないが、体質的な要素にストレスや喫煙、飲酒、食生活といった「外的因子」と、肥満などの「内的因子」が加わって発症すると考えられている。 「乾癬は、生活習慣病とほぼ同じような多因子疾患です。特に、不規則な生活習慣や精神的なストレスに気を付ける必要があります」と中川教授は話す。

 現時点で根治は難しいとされるが、ビタミンD3外用剤やステロイド外用剤などの塗り薬、レチノイド、シクロスポリン、アプレミラストといった飲み薬、さらには紫外線療法や生物学的製剤の注射で症状をゼロに近い状態まで抑えることができる。中川教授は「外的、内的因子を見つけ、専門医と相談しながら自分でコントロールすることが重要です。そうすれば、長期間にわたり良い状態をキープできます」とアドバイスする。

中川秀己教授

 日本国内での乾癬に対する認知度は決して高くはない。「カンセン」という響きから「感染症」と誤解している人が多く、患者がいわれのない差別や偏見の対象となってしまうこともあるという。

 患者連合会会長の柴崎氏は「公共の場で差別を受けたことがある患者さんは非常に多い。温泉での入浴を拒否されたり、美容室の利用を断られたりといったこともあります」と話す。しかし、「乾癬が人にうつることは絶対にない」と中川教授。世界乾癬デーなどのイベントを通じ、今後も乾癬に関する差別や偏見をなくすための啓発活動を続けていきたいと語った。

柴崎弘之氏

アンジェリカさん「勇気や励ましをもらえた」

 姉のカレンさん、ジェシカさんとともに「道端三姉妹」として、各種メディアで活躍する道端アンジェリカさん。乾癬に対する認知度を一気に高めたのが、今年5月のアンジェリカさんによるSNS上での「カミングアウト」だった。

 モデルという職業柄、皮膚の疾患を公表することにためらいはなかったのだろうか。当時の心境について、アンジェリカさんは次のように話す。

 「インスタグラムをアップした時は本当に無我夢中で、その後も『これから自分は人からどう見られるようになるんだろう』と、不安な気持ちになりました。でも、『私も同じです』『私も悩んでいました』といったコメントが付き、皆さんに勇気や励ましをもらえました。今は、告白して本当によかったと思っています」

 精神的なストレスは、乾癬の症状を悪化させる因子となる。アンジェリカさんは「カミングアウト」によって逆にストレスから解放されたといい、今は症状も「どんどん良くなっていると感じる」と話す。

道端アンジェリカさん

 アンジェリカさんの「カミングアウト」によって、「乾癬の認知度が一気に上がり、若い女性の方から患者会への問い合わせが非常に増えました」と柴崎氏。イベントで終始笑顔を絶やさなかったアンジェリカさんだが、その表情からは、自身の症状が良くなっていることだけでなく、同じ乾癬に悩む他の患者の役に立っていることへの喜びがうかがえた。

「世界乾癬デー」の公式ホームページはこちら

(あなたの健康百科編集部)