2017年11月02日 06:00 公開

米国成人の血圧コントロール率は頭打ち

 米国疾病対策センターに属する国立健康統計センターは国民保健・栄養調査のデータを基に、2015~16年の米国成人における高血圧症有病率と血圧コントロール率の推計をNCHS Data Brief(No. 289 Oct 2017)で発表した。高血圧症有病率は全体で約3割と1999年以降ほとんど変化がなく、血圧コントロール率は1999年以降約3割から約5割に上昇したものの、2009~10年以降は頭打ちになっていることが明らかになった。

有病率は男女とも加齢に伴い上昇

 高血圧症は米国成人の2大死因である心疾患および脳卒中に共通かつ強力なリスク因子であることから、公衆衛生の重大な課題となっている。効果的な血圧管理によって脳卒中、心筋梗塞、心不全が減少と報告されており、生活習慣の改善、食事療法、運動療法、薬物療法などで血圧を正常な値にコントロールすることが重要である。

 今回発表された統計によると、2015~16年の米国成人における高血圧症有病率は全体で29.0%(男性30.2%、女性27.7%)、年齢別に見ると、18~39歳で7.5%(同9.2%、5.6%)、40~59歳で33.2%(同37.2%、29.4%)、 60歳以上で63.1%(同58.5%、66.8%)と、加齢に伴い上昇し、この傾向は男女別に見ても同様だった。

 人種別に見ると、高血圧症有病率は非ヒスパニック系白人(27.8%)、非ヒスパニック系アジア人(25.0%)、ヒスパニック系(27.8%)と比べて、非ヒスパニック系黒人(40.3%)で有意に高かった。人種別では有意な性差は認められなかった。

 収縮期血圧が140mmHg未満、拡張期血圧が90mmHg未満にコントロールされていた高血圧症患者の割合(血圧コントロール率)は、全体で48.3%だった。これを年齢別に見ると、40~59歳 (50.8%)、 60歳以上(49.4%)と比べて18~39歳(32.5%)で低かった。男性の血圧コントロール率は加齢に伴い上昇していたが、女性では年齢との関連は認められなかった。

 人種別に血圧コントロール率を見ると、非ヒスパニック系黒人(44.6%)や非ヒスパニック系アジア人(37.4%)と比べて、非ヒスパニック系白人(50.8%)で高かった。これをさらに男女に分けて見ると非ヒスパニック系白人と非ヒスパニック系黒人で男性の方が女性よりも血圧コントロール率が低かった(それぞれ47.7% vs. 57.1%、40.1% vs. 48.5%)。

 1999~2016年の高血圧症有病率を経時的に見ると、ほとんど変化は認められなかった()。また、血圧コントロール率は1999~00年の31.6%から2009~2010年には53.1%まで上昇したが、その後2016年まで変化が見られなかった。

図. 米国における18歳以上の年齢調整高血圧症有病率と血圧コントロール率

〔NCHS Data Brief (No. 289 Oct 2017)〕

 米保健福祉省は、2020年までに血圧コントロール率を61.2%にするという目標を掲げているが、いまだ達成できていないため、さらなる対策が求められている。

(あなたの健康百科編集部)