2017年11月30日 06:00 公開

朝食抜きだと動脈硬化が進む?

高エネルギーの朝食に比べて高リスク

 忙しさから寝不足が慢性化し「朝ごはんを食べる時間も寝ていたい」と思う人もいるだろう。しかし朝食抜きの食生活は、血管壁の内側にコレステロールなどがたまり血管が狭くなるアテローム動脈硬化症の新たなリスクになるという。スペインと米国の共同研究グループが、スペインで行った観察研究(PESA研究)の結果をJ Am Coll Cardiol2017; 70: 1833-1842)に発表した。

朝食のパターンを3つに分類

 今回、調査の対象となったのは、心臓病や脳卒中といった心血管疾患を発症していない40~54歳の4,052人。生活習慣や複数の血管画像、検査値などのデータを収集し、朝食のパターンと心血管疾患の危険因子、無症候性アテローム動脈硬化症との関係を調べた。

朝食のパターンは次の3つ。

①高エネルギーの朝食:朝食が1日の総エネルギー摂取量の20%以上(対象者の27%が該当)

②低エネルギーの朝食:総エネルギー摂取量の5~20%(70%が該当)

③朝食抜き:5%未満(3%が該当)

朝食抜きと全身のアテローム動脈硬化症が関連

 この3つの朝食パターンを解析したところ、朝食抜きのグループは高エネルギー朝食のグループに比べて、心血管疾患の危険因子として既に知られている高血圧や高脂肪食などとは無関係に、心臓以外の血管にアテローム動脈硬化症が起こるリスクが1.55倍高くなる傾向を示した。

 また全身のアテローム動脈硬化症については、高エネルギー朝食のグループに比べて朝食抜きのグループで、明らかに発症リスクが高くなることも分かった。

「あなたの健康百科」では、これまでも朝食と健康にまつわる情報を発信してきた(「【寄稿】糖尿病患者の"朝食抜き"はOK? NG?」、「朝食抜く男性は心臓病リスクが高い?」、「朝食を抜くと太る? 仕事や学業にも悪影響」)。

 朝食を取る習慣と健康との関連は、1つの研究では断定できない。しかし今回の対象者は、生活習慣の改善を特に指摘される中年層だ。朝ごはんを見直すことも大事かもしれない。

 なお、厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」(2016年)では、朝食を抜く習慣がある成人男性は15.4%、女性では10.7%と、前年より増えていた。

(あなたの健康百科編集部)