2017年12月06日 06:00 公開

プロ野球選手を目指すなら右投げ左打ち

 プロ野球選手を目指すなら、右利きでも打撃は左打ちにすべきかもしれない。オランダ・アムステルダム自由大学のDavid L. Mann氏らは「野球では右投げ左打ちの利点が多く、米大リーグのプロ野球選手では右投げ左打ちの選手は大幅に成績が良い」とN Engl J Med2017; 377: 1688-1690)に発表した。

プロ野球選手には左打者が多い

 プロ野球においては左打ちの打者が非常に多い。左投げ左打ちの選手は、右投げ左打ちまたは右投げ右打ちの選手と比べてバットコントロールはよくないが、打率が高いことがこれまでに報告されている。

 Mann氏らの検討により、プロ野球野手では学生やアマチュアの選手などと比較して、左投げ左打ちの選手の数が非常に多いことが裏付けられた。しかし、右投げ左打ちの選手の方が数も多く、はるかに大きな利点があることが分かった。

 同氏は「打撃成績上位の選手(生涯打率.299以上)における比較では、左投げ左打ちの選手と比べて右投げ左打ちの選手の比率はさらに高かった」と述べている。打撃成績上位の選手では、学生やアマチュア選手と比べた場合、左投げ左打ちの選手は3.67倍であったが、右投げ左打ちは18.43倍とさらに多かった。

長い"てこ"が使える

 プロ野球選手になるための、また選手になってから大リーグでしのぎを削る際に、右投げ左打ちの利点はさらに大きくなる。大リーグ全選手のデータ(1871〜2016年)では、右投げ左打ちの選手は左投げ左打ちの選手と比べて生涯打率.299以上の選手が多かった。

 左打ちを選択した選手にとっては、投手は左打者との対戦経験が少ない、打席が既に1塁に近い上にバットスイングの勢いも1塁方向に向いている、作戦に柔軟性を持たせるため出場選手として選ばれる可能性が高いなど、さまざまな利点がある。さらに、右利きで左打ちの打者では利き手がバットの打点から遠いため、バットコントロールは犠牲になるかもしれないが、より長い"てこ"が使えるという生体力学的利点もあると推測される。

 脳での情報処理については、右利きの人では約95%が脳の左半球を使うのに比べて、左利きの人では脳全体を使うといわれている。しかし、このようなスポーツ科学的な説明と今回の検討結果から、プロ野球選手として成功するためには、脳科学的な要因よりもスポーツ科学的な要因の方が重要なのではないかと思われる。

(あなたの健康百科編集部)