2017年12月08日 06:00 公開

楽観的な糖尿病患者は薬を飲まない?

2型糖尿病患者に対する調査

 処方された薬を正しく飲むかどうかは、治療の成功・失敗を左右する大きなポイントだが、その傾向は患者の"タイプ"別に分類できるという。横浜市立大学分子内分泌・糖尿病内科学教室教授の寺内康夫氏は、日本イーライリリーが東京都内で開いたプレスセミナーで、2型糖尿病患者を対象にした調査の結果を報告。自分の病気に対して楽観的な患者ほど、薬を飲み残す傾向にあることを示した。

患者の3割以上が飲み残しあり

 調査は、日本イーライリリーが2017年4月24日~5月16日、現在病院に通い、薬による治療を受けている20歳以上の2型糖尿病患者2,942人を対象に実施した。

 その結果、「糖尿病治療薬の飲み残しがある」と回答した患者の割合は、33.1%に上った(図1)。

図1. 経口糖尿病治療薬の残薬の状況

 飲み残しが「ある」と回答した患者967人に、薬を飲む上で困っている点を尋ねると、「薬の種類が多い」が26.3%で最も多く、「一度に飲む量が多い(22.4%)」、「タイミングを守ることが難しい(17.5%)」が続いた。

 また、処方されている糖尿病の飲み薬に関して、直近1カ月で医師の指示に反して服用しなかったことがある患者481人にその理由を聞くと、「特に理由はないが、ついうっかり忘れてしまう(56%)」が最も多く、「外出の際に持って行くのを忘れてしまう(39%)」、「食事のタイミングが不規則で、飲むタイミングを逸してしまう(24%)」が続いた(図2)。

図2. 服薬しなかった理由

注:処方されている全ての経口治療薬に関して、直近1カ月で医師の指示通り服薬しなかったことがある患者が対象

(図1、2ともプレスセミナー発表資料を基に作成)

治療をあきらめ気味の患者も要注意

 また、「病気の知識・治療における態度」、「生活スタイル・性格」の質問に対する回答から患者をタイプ別に分類した。すると、「楽観的志向」と「治療あきらめ志向」に分類される患者は、薬を飲み残しやすいことが分かった。

 この「楽観的志向」の患者は「治療に関する医師からの指示はほとんど守れている」、「治療に影響するほど薬の飲み忘れはしていない」との回答が他のタイプより多かった。「治療あきらめ志向」の患者では、「仕事がとても忙しい」、「以前より病気が進行してきていると感じる」との回答が多いという特徴があった。 

 寺内氏は、2型糖尿病患者では医師の指示通り薬を飲むかどうかが、入院率や生活の質、死亡率、医療費などに影響するとの報告があることも説明した。

 2型糖尿病の治療を受けていて、「楽観的志向」や「治療あきらめ志向」に当てはまりそうな人は、今一度自分の薬の飲み方を振り返ってもいいかもしれない。

(あなたの健康百科編集部)