2017年12月18日 06:00 公開

喫煙者は筋骨格系損傷リスクが高い

 米・Womack Army Medical CenterのSheryl Bedno氏らが、米国陸軍兵士を対象に喫煙とトレーニングに関連した筋骨格系損傷(骨、関節、結合組織の損傷)リスクの関係について検討を行った結果、喫煙者では非喫煙者に比べてリスクが約30%高いことが分かった。詳細はMed Sci Sports Exerc2017; 49: 2191-2197)に発表された。

喫煙強度とリスクの高さが関連

 米国軍人における喫煙率は約35%と、一般人口(民間人)の喫煙率(約19%)と比べて高く、以前から問題視されている。また、筋骨格系損傷はランニングや軍事訓練などで生じ、特に軍人ではよく起こる問題である。喫煙は、骨強度を低下させることにより筋骨格系に影響し、回復を遅らせるといわれている。

 筋骨格系損傷についての過去の研究では、喫煙を危険因子とする根拠が見られた。そこでBedno氏らは、2016年10月までに発表された文献を検索、検証を行い、米国陸軍の軍事訓練に関連した筋骨格系損傷〔下肢の使い過ぎ損傷〕における喫煙の影響を調べた。喫煙の程度と性についても検討を行った。

 その結果、男女とも非喫煙者に比べて喫煙者で筋骨格系損傷のリスクが高かった(男性で31%、女性で23%高い)。さらに、喫煙程度と筋骨格系損傷リスクの高さには関連が見られ、喫煙程度が低い人に比べて、高い人ではリスクが高いことも分かった。最も喫煙程度が高いグループでは、男性で84%、女性で56%もリスクが高かった。

 今回の研究では、どの程度の喫煙期間が筋骨格系損傷リスクに影響を及ぼすかについては明らかになっていないが、数カ月間の喫煙でもリスクが上がっていたという。

 同氏は「今回の研究により、喫煙がトレーニングに関連する筋骨格系損傷の中等度のリスク因子であること分かった。喫煙はトレーニング関連の損傷リスクを約30%増加させており、喫煙を継続すればリスクはさらに上がる。全ての人ができるだけ早期に禁煙するよう推奨する」と述べている。

 今回の研究は陸軍兵士におけるトレーニングに限定されているが、一般成人のハードな運動においても、喫煙は筋骨格系損傷の中等度リスクとなる可能性があるという。

(あなたの健康百科編集部)