2018年01月30日 06:00 公開

大腸がん診断後のコレラワクチン接種で死亡が減少

 これまで、コレラ菌が産生するコレラ毒素には抗炎症作用と免疫応答調節作用があると報告されていた。また、コレラ毒素は大腸がんを発症させたマウスで、結腸ポリープの形成を抑制することも観察されている。今回、コレラ毒素の一部を含むコレラワクチンの大腸がん診断後の接種によって死亡リスクが低下することを示す研究結果が、スウェーデン・Lund UniversityのJianguang Ji氏らによって医学専門誌Gastroenterology2018; 154: 86-92. e1)に発表された。

死亡リスクが40%以上低下

 今回Ji氏らは、大腸がん診断後の経口コレラワクチン接種が死亡に影響するかどうかを検討した。

 同氏らは、スウェーデンがん登録(Swedish Cancer Register)の記録から2005年7月~12年12月に大腸がんと診断された患者を特定し、処方薬の登録(Swedish Prescribed Drug Register)の記録からコレラワクチン接種の有無を調べた。大腸がん診断後にコレラワクチンを接種した患者と接種していない患者で、大腸がんによる死亡およびあらゆる原因による死亡のリスクを算出した。

 大腸がん診断後にコレラワクチンの接種を受けた患者は175例であった。コレラワクチンを接種した群は摂取していない群に比べて大腸がんによる死亡のリスクが47%、あらゆる原因による死亡のリスクが41%低下した。コレラワクチンによる死亡の減少は、患者の診断時の年齢や腫瘍の病期、性に関係なく認められた。

(あなたの健康百科編集部)