2018年05月07日 06:00 公開

脂肪をためる細胞が燃やす細胞に変化する?!

肥満などの予防・治療法への応用に期待

 寒い環境に長期間さらされると次第に体が慣れる仕組みを、東京大学などの研究グループが遺伝子レベルで解明した。脂肪細胞のうち、本来はエネルギーを蓄えるだけの白色脂肪細胞が持続的な寒冷刺激により脂肪を燃焼し熱を産生する細胞に変化することが分かった。研究グループは、肥満や生活習慣病の予防・治療法につながる知見だとしている。この成果はNat Commun2018年4月18日オンライン版)に掲載された。

持続的寒冷刺激によりベージュ細胞に変化

 この研究を行ったのは、東京大学先端科学技術研究センター/東北大学大学院医学系研究科の酒井寿郎教授らのグループ。

 恒温動物は寒冷環境に適応するため、エネルギーをためるだけの白色脂肪細胞と、脂肪を燃焼し熱を産生する褐色脂肪細胞を持っている。さらに、最近では、第二の熱産生脂肪細胞としてベージュ脂肪細胞の存在が明らかにされている。研究グループは、白色脂肪細胞が持続的な寒冷環境により、ベージュ脂肪細胞に変化する仕組みを明らかにした。

 白色脂肪細胞にも脂肪燃焼・熱産生に関する遺伝子群は存在するが、発現しないように鍵がかけられている。寒冷刺激を受けると、ヒストン脱メチル化酵素のJMJD1Aが鍵のかかった脂肪燃焼・熱産生に関する遺伝子群を解除、発現させることでベージュ細胞に変化するものと考えられている。

 今回解明された白色脂肪細胞のベージュ化メカニズムは、脂肪燃焼を高めることで肥満や生活習慣病を予防・治療する方法の開発につながるものと期待される。

(あなたの健康百科編集部)