肝がんに有効な「ラジオ波焼灼療法」

2011年8月18日 17時30分 掲載

肝がんに有効な「ラジオ波焼灼療法」

極めて低い再発率

 肝がんは、30年前の4倍に増えている。その90%は肝硬変を合併しており、手術ができる例は3割ほどしかなく、手術ができても5年以内に80%でがんが再発する。近年、手術以外の効果的な治療法として、ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法が注目されている。

がん組織を熱で焼く

 ラジオ波焼灼療法は、超音波で観察しながら、がん組織に直径1.5ミリほどの電極を挿入し、周波数の比較的低いラジオ波を流して摂氏100度前後の熱で焼き、がん細胞を壊死(えし)させる治療法。

 日本でいち早くこれを導入した東京大学医学部消化器内科の椎名秀一朗氏は「肝硬変がある程度進んでいれば、直径3センチまでの肝がんなら3個以内、単発では直径5センチまでですが、肝機能が良ければ、この条件を超えていても治療できることもあります。手術ができない、あるいは手術を希望しない患者には、手術に代わる治療法です」と話す。

 同氏らは実際に、過去4年間に1,000人を超える患者にこの治療法を実施した。「治療後約16カ月の経過観察で肝がんの再発率は約1.7%にとどまり、有効性の高い治療法と言えます」(同氏)

入院期間も短縮

 この治療を受けた後、局所再発(治療した病変が完全に壊死せずに再発)した症例は、肝機能が悪くて十分な焼灼ができなかったり、病変が10個以上あったりしたケースだという。

 「わたしたちのところでは、以前に行っていたエタノール注入療法やマイクロ波凝固療法でも、手術と変わらない効果を認めています。ラジオ波焼灼療法は、これら2つの治療法の長所を兼ね備えているので、より高い5年生存率が期待できると思います」と椎名氏。

 このほか、入院期間も約2週間と手術や他の治療法よりも大幅に短いので、患者の身体的負担が少ないという利点もある。

2003年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)


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