「LDRシステム」―自宅分娩の雰囲気で安全に出産
2011年8月24日 15時24分 掲載
「LDRシステム」―自宅分娩の雰囲気で安全に出産
居間、寝室も兼ねる
自宅でゆったりと出産したいが、安全性を考えて病院を選ぶ妊婦は少なくない。こうしたニーズに応えるのが「LDRシステム」。英語の「陣痛、分娩(ぶんべん)、回復」の頭文字を取ったシステムで、自宅の居間にいるような雰囲気の中で出産できるという。
出産時の移動不要
LDRシステムは米国で生まれた。日本でいち早く導入した聖路加国際病院(東京都)産婦人科の伊藤博之名誉医長は「自宅分娩の雰囲気で、母子共に安全に出産できるシステムです」と説明する。
実際、LDRルームは家庭の居間と寝室の雰囲気を兼ね備えており、妊婦は十分にリラックスできる。しかも、帝王切開以外の高リスク分娩にも対応できる機器が、キャビネットなど家具の中に収納されており、出産時にはこれらの機器が用意され、分娩室に早変わりする。

「そのため、出産時に移動の必要がありません。従来は、妊婦さんが陣痛室、分娩室、回復室と移動しなければならない上、分娩室は手術室のイメージと重なり、ストレスを感じる妊婦さんも少なくありませんでした」(同名誉医長)
割高な費用が短所
このほか、
- プライバシーが保たれる
- 家族の立ち会いで出産できる
- 分娩台が広く、自由な体位が取れる
- 分娩後もリビング感覚でゆっくりとくつろげる
- 医師や看護師とのコミュニケーションが取りやすい
―など長所は多い。また、医療側にも、ケアがしやすく、異常時の対応が迅速にできるといった利点もある。
短所としては、分娩費用が割高な点。「病院や部屋の装備によって異なりますが、1回の分娩で40万円前後から100万円前後が目安になります。他の短所は、妊婦さんが家族に甘える傾向が見られる点でしょう」(伊藤名誉医長)
LDRシステムは全国的に普及しつつある。妊娠中の人は、同システムの長所・短所を十分に考慮し、自分に合った分娩環境を選ぶとよい。
2003年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)


