非アスピリン系の鎮痛薬で流産リスク2倍超―カナダ研究

2011年9月14日 17時30分 更新

非アスピリン系の鎮痛薬で流産リスク2倍超―カナダ研究

 頭痛や腰痛、歯痛、膀胱炎など、さまざまな痛みや炎症に使われている非ステロイド抗炎症薬(NSAID)。その中でもアスピリン系以外の薬剤を妊娠中に使用すると、流産リスクが2倍になるという研究結果が9月6日、カナダ医学誌「CMAJ」(電子版)に報告された。研究を行ったカナダ・モントリオール大学のHamid Reza Nakhai-Pour氏らによると、リスク上昇はいずれの薬剤でも認められ、そのリスクは用量に依存しなかったという。

直近使用でリスク3.5倍に

 Nakhai-Pour氏らは、1997年以降のカナダ・ケベック州の妊娠記録6万7,160人のデータを用いて研究を行った。

 20週以前に自然流産した4,705人(症例群)について、基準日(症例群が流産した日)と妊娠週数が一致する各10人(対照群、計4万7,050人)を選び、非アスピリン系NSAID使用の有無、使用量について調べた。中絶経験者、20週以降の自然流産経験者、妊婦への使用が禁忌とされているミソプロストールやNSAID座薬の使用経験者、20週以前に奇形と診断されていた場合は研究対象から除外した。

 その結果、症例群の7.5%、対照群の2.6%が妊娠早期に非アスピリン系NSAIDを使用していた。症例群は対照群に比べてやや年齢が高く、妊娠前1年間の基礎疾患や医療サービスの利用回数が多く、出生前保健指導を受けた回数が少なく、抗うつ薬、全身抗菌薬の使用が多かった。

 解析の結果、妊娠中の非アスピリン系NSAIDの使用は流産リスクの上昇と統計学的有意に関連しており、そのリスクは2.43倍だった。また、基準日の2週間以内に使用した人を使用しなかった場合と比較すると、リスクは3.47倍と高かった(ただし、流産の前の症状である痙攣=けいれん=の緩和に服用したことも考えられると同氏は指摘している)。

ジクロフェナクが最も高リスク

 薬剤別では、ジクロフェナクが3.09倍と最も高く、ナプロキセンが2.64倍、セレコキシブが2.21倍、イブプロフェンが2.19倍で、国内未承認のrofecoxibは1.83倍と最も低かった。これらの薬を配合した薬剤では2.64倍となっており、すべての薬剤で統計学的に有意なリスク上昇が認められた。

 なお、使用用量を1日の最大用量の1~50%、51~65%、66~80%、81%以上に分けて比較したが、それぞれの間に統計学的な有意差は認められなかった。

 妊娠中は子宮内のプロスタグランジン(人間のさまざまな整理機能に関与する物質)の合成が抑制されるが、非アスピリン系NSAIDの使用によってそのメカニズムに不具合が生じ、流産につながっている可能性がある。

 Nakhai-Pour氏らは「妊娠早期には、どの非アスピリン系NSAIDをどのくらい用いても自然流産のリスクが高まることが分かった。同薬は先天性異常のリスクを増やすという報告もあり、妊娠中は警戒すべき」としている。

MT Pro 2011年9月9日 掲載


メディカルトリビューンブックス

腰痛のナゼとナゾ 

腰痛のナゼとナゾ"治らない"を考える

  • 菊地 臣一 著
  • 四六判 144ページ
  • 1,365円(税込)
喘息の超(ウルトラ)コントロール法s

喘息の超(ウルトラ)コントロール法

  • 久保裕 著
  • 四六判 175ページ
  • 1,470円(税込)
痛みを残さない帯状疱疹 再発させない単純ヘルペス

痛みを残さない帯状疱疹 再発させない単純ヘルペス

  • 漆畑 修 著
  • A5判 144ページ
  • 1,470円(税込)