2011年08月15日 公開

血管が浮き出る「下肢静脈瘤」

レーザー治療で翌日仕事も可能―痛みなく30分で終了―

 ふくらはぎに血管がこぶのように浮き出る下肢静脈瘤(りゅう)に、レーザー治療が行われるようになっている。東京医科歯科大学医学部外科・血管外科の広川雅之氏は「手術は30分で終わり、翌日から仕事に戻れる。治療の選択肢が広がりました」と話す。

血管を焼いて閉塞

 下肢静脈瘤になると、ふくらはぎに静脈が浮き出て、血管がこぶのように見える。日本には、軽症を含めると1,000万人ほどの患者がいるといわれる。

 「静脈は、血液が心臓に戻るための血管で、所々に弁があります。この弁がうまく働かなくなると血液が逆流してたまってしまい、静脈瘤となるのです。50歳代の女性に多く見られます」と広川氏。

 進行すると、湿疹(しっしん)ができる、皮膚が茶色になる、皮膚が硬くなるなどの皮膚炎が起こる。さらに、潰瘍ができて出血することもある。

 レーザー治療は、患部を局所麻酔して5ミリほど切開、そこから細いレーザーファイバーを静脈の中に入れ、血管を焼いて閉塞させていく。痛みはなく、手術時間は30分ほど。手術直後には歩くことができ、日帰りができる。以前は半導体レーザーが使用されていたが、現在は術後の内出血や疼痛が少ないとされるパルスヤグレーザーが主流となってきている。

静脈引き抜く手術も

 「血管を焼いてふさいでしまい、血液が流れなくするのです。この血管は働かなくなっても、ほかに深部静脈が働いて、血液の流れには全く影響はありません」(広川氏)

 同氏の施設では、レーザーを使わず静脈を引き抜くストリッピング手術も行っている。特殊な局所麻酔を使い、これも日帰りができる。

 同氏は「レーザー治療は、翌日には仕事に戻れるということで、働き盛りの人に好評です。静脈を引き抜く手術と合わせて、下肢静脈瘤治療の選択肢は広がっています。悩んでいたら、血管外科を受診してください」と話している。

2005年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)