2011年11月18日 10:21 公開

睡眠トラブルが多いと原因不明の病気に―ノルウェー

中高年女性で線維筋痛症リスク5倍超

 全身に激しい痛みが起きるが、原因も治療法も確立されていない「線維筋痛症」。ノルウェー科学技術大学のPaul Mork氏とTom Nilsen氏は、20歳以上のノルウェー人女性を対象とした研究を分析した結果、睡眠トラブルの頻度が10年後の線維筋痛症の発症リスクに強い関連を示したと、11月14日付の米医学誌「Arthritis & Rheumatism」(電子版)に報告した。特に睡眠トラブルが「しばしば」か「いつも」と答えた中高年女性では、10年後の発症リスクが5倍超に上っていたという。

1万2,350人を調査

 成人の3~5%が発症する線維筋痛症は、これまでの報告によると中年期に発症が多く、女性が最大90%を占めるとされる。線維筋痛症の合併症状として、夜間覚醒や不眠症、疲労感などが知られているが、睡眠のトラブルが発症につながるかどうかについては分かっていなかった。

 Mork氏らは、1984~86年に筋骨格痛と運動障害のない1万2,350人を選び出し、1995~97年の線維筋痛症および3カ月以上続く筋骨格痛の有無を調べた。

 睡眠については、過去1カ月の間に入眠の問題または睡眠障害があったかどうかと、その頻度を試験開始時に調査。睡眠の質は年齢とともに悪化することから、解析は試験開始時の年齢が20~44歳と45歳以上に分けて行い、さらに年齢、喫煙、教育、精神状態、運動の頻度、BMI(肥満指数)で調整して分析した。

 追跡時、327人が線維筋痛症を発症しており、10年間の発症率は2.6%。試験開始時の年齢が20~44歳では3.2%、45歳以上では1.7%だった。

睡眠の影響は65%

 分析の結果、睡眠のトラブルと線維筋痛症発症の間には、強い関連が認められた。リスクの強さは、睡眠トラブルの頻度に比例し、睡眠トラブルが「ない」と比べたリスクは、「時々」で1.98倍、「しばしば」または「いつも」で3.43倍だった。「しばしば」または「いつも」のリスクを年齢群別に見ると、20~44歳は2.98倍、45歳以上は5.41倍だった。

 なお、睡眠トラブルがある8,401人を、トラブルがない3,949人と比べたリスクは2.10倍で、 線維筋痛症発症における睡眠の寄与割合は65%と、全体の3分の2を占める計算となった。

 Mork氏らによると、質の悪い睡眠が線維筋痛症を引き起こすメカニズムは明らかではないが、ノンレム睡眠(深い眠り)の中断などの断眠が痛覚過敏を誘発することがあり、断眠が炎症マーカーを上昇させるといった研究結果があり、睡眠トラブルが長期化することによって慢性的で広範囲の痛みが発生したり、悪化したりする可能性はあるという。

 同氏らは、睡眠トラブルの早期発見や早期治療が線維筋痛症リスクを減らすかどうか、さらに研究すべきと結んでいる。

(編集部)

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