2012年01月26日 公開

メタルフリー治療とは?

メタルフリー治療とは何でしょうか?

(男性 30代)

金属材料を用いない、プラスチックやセラミックスなどを使用した歯の修復治療です。

 むし歯や失った歯を補う治療には、丈夫な金属製の詰め物やブリッジなどが使用されます。この際、金属を使わずプラスチックやセラミックスなどの材料だけを用いて行う治療をメタルフリーと呼びます。メタルフリー治療には治療する歯の部位や種類によって、次のような種類があります。

詰め物の場合

 奥歯にできたむし歯には、一般的に図1、写真aのような金属製の詰め物(インレー)が用いられます。メタルフリー治療ではこれを光重合レジンというプラスチックあるいはハイブリッドセラミックスス[f1] と呼ばれるレジンにセラミックスを加えた材料で修復します【図1、写真b】。

  

【写真a】金属の詰め物から   【写真b】レジンの詰め物に変えた

【図1】メタルフリー治療により、詰め物を金属からレジンに変更

かぶせ物の場合

 金属冠に代わって、オールセラミックスと呼ばれる新しい材料が開発されています。オールセラミックスでは土台となる材料としてジルコニアやアルミナを用いた内枠(フレーム)を作り、その上にセラミックスを焼き付けることで冠(クラウン)を作製します。アレルギーの心配がほとんどなく、自然な色の歯が出来上がりますが、保険適用外であるため高価になることが難点です【図2】。

【写真a】  【写真b】  【写真c】

【写真a】ジルコニアのフレーム(上)と セラミックスを焼き付け完成した冠(下)
【写真b】術前(前歯と奥歯に金属が見える)
【写真c】術後(オールセラミックスクラウンとレジン充填に変更)

【図2】メタルフリー治療により、詰め物とかぶせ物を金属からセラミックスに変更

 また、冠を製作する際に、冠の内部に土台となる金属の芯を入れる場合があります。このような金属もファイバーとレジンを組み合わせて作ったファイバーポストを用いて置き換えることができます。この材料も保険適用外となっています【図3】。

  

各種ファイバーポスト 口腔内に装着されたファイバーポスト

【図3】かぶせ物の土台となる金属の芯(図説)とファイバーポスト

入れ歯やインプラントの場合

 入れ歯には、歯に固定するために金属のバネ(クラスプ)が使われています。この金属がアレルギーの原因となる場合には、バネの部分を弾性のあるプラスチックで代用することができます【図4】。あまり目立たず自然な感じになりますが、保険適用外になります。

レジンクラスプでできた入れ歯を装着した状態

【図4】レジンクラスプを用いた入れ歯

 インプラントはほとんどの場合、アレルギーの少ない金属であるチタンが用いられています。またインプラントの上の部分は、クラウンと同じくオールセラミックスで製作することができます。

 金属アレルギーの治療のためにメタルフリーを選択する際には、すべての金属を除く必要はありません。患者さんご自身にとってアレルギーとなる材料だけを避けることが基本です。

 しかし歯の表面だけでなく内部に用いる材料からも、アレルギー反応陽性の金属を除くことが必要です。メタルフリーの材料のほとんどは保険適用外であるため、治療費も高額となることが予想されます。治療を進めるに当たっては担当の歯科医と十分に相談されることをお勧めします。