2012年02月10日 公開

脳卒中の予防にカルシウム摂取が効く可能性

4万人以上対象の調査

 脳卒中は日本人の死因の第3位だが、乳製品からカルシウムを摂取することでかかりにくくなるという。大阪府立健康科学センター健康開発部の梅澤光政氏(公衆衛生学)らが、4万人以上を対象に行った調査結果だ。梅澤氏は「カルシウム摂取によって、血圧が下がることなどが良い結果をもたらすのではないか」と話している。

動脈硬化抑える

 調査は、40~59歳の男女4万1,526人を13年間追跡した。乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)からのカルシウム摂取量によって5グループに分けて比べた結果、脳梗塞や脳出血などの脳卒中の発症率は、最も量が少ないグループ(中央値0ミリグラム)を「1」とすると、最も多いグループ(同116ミリグラム)では「0.69」となった。

 「カルシウムはある程度取ると血圧を下げる効果があるとされ、糖尿病になりにくくなるともいわれています。これによって動脈硬化を抑え、脳卒中発症率の低下に結び付くと推測しています」(梅澤氏)

 乳製品にはカルシウム以外にもさまざまな栄養素が含まれるが、降圧効果などとの関係から、調査ではカルシウム摂取量だけに絞ったという。

死亡率も低下

 梅澤氏らは、この調査とは別に、40~79歳の男女5万3,387人を9年7カ月間追跡、乳製品からのカルシウム摂取量によってグループ分けし、脳卒中による死亡との関連を見た。ここでも1日のカルシウム摂取量が最も少ないグループ(中央値0ミリグラム)の死亡率を「1」とすると、男性は最も多いグループ(同150ミリグラム)では「0.53」、女性では最も多いグループ(同173ミリグラム)で「0.57」となった。

 カルシウムは、魚類や一部の野菜、豆腐などにも多く含まれるが、乳製品のカルシウムは吸収率がずば抜けて高いという。

 梅澤氏は「腎臓病やアレルギーなどによって医師からカルシウム摂取を控えるよう指導されていなければ、乳製品からのカルシウム摂取を勧めます。1日に牛乳なら180ミリリットル、スライスチーズなら2枚(30グラム)、ヨーグルトなら2カップ弱(180グラム)をおおよその目安にしてください」と助言している。

2009年12月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)