2012年02月29日 公開

親知らずが生えたら―女性は妊娠前に抜いておこう

虫歯や歯周病の原因に

 親知らずの歯は思春期以降に生えてきて、抜いた方がよいのかどうか迷う人は多い。昭和大学歯学部(東京都)口腔(こうくう)外科の新谷悟教授は「親知らずは腫れや痛みを起こすほか、虫歯や歯周病の原因にもなる」と指摘。妊娠中は歯周病のリスクが高まるため、女性は妊娠前に抜くよう助言している。

斜めや横に生える

 親知らずは、20歳前後に生えてくる第三大臼歯。上下左右4本あるが、顎が小さくなった現代人では、ほとんどが斜めや横に生えてくる。

 「こうした生え方では、食べ物をかむという歯本来の働きはありません。それどころか腫れや痛みのほか、歯並びに悪影響を及ぼして虫歯や歯周病を起こす危険性があります」(新谷教授)

 特に注意したいのは妊娠前の女性だ。妊娠するとホルモンのバランスが崩れて歯周病を起こしやすくなる。加えて、つわりがあるので歯のブラシッングも的確にできないため、より歯周病を起こす危険性が高まるという。

 「親知らずのところに起こる歯周病を智歯周囲炎といいますが、時には高熱を発する場合もあります。診断にはレントゲン検査、治療には抗生物質や鎮痛薬を用います。これらの検査や治療が胎児に及ぼす影響を考えると、妊娠前に親知らずを抜いておいた方がよいのです」(新谷教授)

抜歯は20~40分

 抜歯に際しては、生え方によって複雑な手技が必要なので口腔外科を受診するとよい。「親知らずの根っこの状態によって手術時間は異なりますが、通常は1本抜くのに20~40分かかります。1本抜いた後、2週間ほどの間隔を置いて順次抜いていきます」(新谷教授)

 抜歯後、2~3%の人で、下顎から下唇にかけての神経が障害されてしびれが生じるケースがある。「ただ、ほとんどの場合、しびれは数カ月から1年ほどで改善します」と新谷教授。抜歯した日は、出血が早く止まるように、

  1. 頻繁にはうがいをしない
  2. 飲酒、運動、長風呂は血流が良くなるので避ける

―の点に注意するよう助言している。

2010年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)